Jan. 17th, 2009.
人見欣幸の音楽三昧
dedicated to MEL GALLEY (60)
featuring “Slide It In /Whitesnake (1984)”
昨2008年七月一日没。食道癌。享年六十。
死去の報をうけての拙文はこちら。
LP side A:
01 GAMBLER
02 SLIDE IT IN
03 STANDING IN THE SHADOW
04 GIVE ME MORE TIME
05 LOVE AIN’T NO STRANGER
LP side B:
06 SLOW AN’ EASY
07 SPIT IT OUT
08 ALL OR NOTHING
09 HUNGRY FOR LOVE
10 GUILTY OF LOVE
バラック・オバーマに捧ぐ!
11 FUNKY PRESIDENT (PEOPLE IT’S BAD)
/James Brown, ’74.
&
PAINT THE WHITE HOUSE BLACK
/George Clinton, ’93.
去年届いた訃報のフォロウを何回かする事になりそうだ。
今週と来週はハード・ロックどころを。
今週はメル・ギャリー追悼でワイトスネイク(ホワイトスネイク)。
来週はジョン・ラトズィ(ラトジー、ラッツィ)追悼でラッシュ。
トラピーズ、コーズィ(コージー)・パウエルのソロ等も持ってはいるのだが、僕の番組では思い切って『スライド・イット・イン』全曲、それだけで番組を構成した。
MEL GALLEY: Guitar & Vocals
M1, 4, 5, 7 & 8: written by David Coverdale/Mel Galley
尚、本作は最初に出されたヴァージョンと、アメリカ発売にあたり旧メンバーのパートが新メンバーによる演奏に差し替えられ(※)、アメリカ受けを狙って派手なミックスが施されたヴァージョン(アメリカン・リミックス・ヴァージョン)が存在するが、単純に僕の好みで前者を今回はオン・エアした。
最後の一曲(とエンディングBGM)は、アメリカ大統領になるバラック・オバーマに捧げた。
政党も政策も、右だ左だというのも関係無く、いちポップス・ファンとして、いちソウル・ファンとして、有色人種の大統領が誕生するのが嬉しいというだけの事です。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
(※)録音後、発売前にメンバーが三名変更となった。日本盤(先に出たヴァージョン)の解説で既に触れられている。
vo.: David Coverdale
key.: Jon Lord →脱退(ディープ・パープル再結成に参加)
gu.,vo.: Mel Galley
gu.: Micky Moody →John Sykes
ba.: Colin ‘Bomber’ Hodgkinson→Neil Murray
du.: Cozy Powell
最初のヴァージョンは ’84年一月、サイクスとマレイの演奏を収めたアメリカン・リミックス・ヴァージョンは同年四月に発売されている。
おそらく新メンバーでトゥアーに出るにあたり、そのメンバーでの演奏を変則的でも良いから出しておきたかったのだろう。特にジョン・サイクスはこのラインナップの「売り」だったので。
そのサイクスを新たなソングライター・パートナーとしたデイヴィッド・カヴァデイルは「スティル・オヴ・ザ・ナイト」等を作り次作の録音を行うが、そのアルバム『Whitesnake 1987(サーペンス・アルバス)』発表前に、サイクスが脱退するという、前回同様の事態となる。しかもこの時はパウエルと意気投合しての揃っての脱退・・・。アルバム発表の時点で、録音に参加したメンバーはカヴァデイル以外誰も在籍しておらず、ワイトスネイクはますますカヴァデイルのソロ・プロジェクトと化してしまう。
次のパートナーはエイドリアン・ヴァンデンヴァーグ。
そのヴァンデンヴァーグとのアルバム制作の時には、彼が腱鞘炎になってしまい、ギターリストとして録音に参加出来なくなってしまう。
スティーヴ・ヴァイを迎えてアルバム『スリップ・オヴ・ザ・タン』が発表される。
・・・等と、レコーディングに際してのメンバー固定化のタイミングがどうにも悪い状態が続く八十年代半ば〜九十年代初頭のワイトスネイクなのだった。
その後、カヴァデイルは一旦看板を降ろし、ジミー・ペイジとのカヴァデイル/ペイジを始動させる ( ’91)。実は『スライド・イット・イン』製作時にペイジのバンド加入が噂されていたので、念願叶っての合流であったのだろう。
それも ’93年の一枚のアルバムと一度のトゥアー(日本のみ)のみで解散。以降、ワイトスネイクとして散発的な活動を続けたのが九十年代後半。ヴァンデンヴァーグ以外のメンバーは矢張り流動的だった。
結成から二十五年となった2003年より、ワイトスネイクは活発な活動を再開している。しかしヴァンデンヴァーグは居ない。彼とほぼ同時期に参加したドラマーのトミー・アルドリッジ(※)が十数年振りに呼び戻されたが、現在は脱退している。
以前からのメンバーは、又もや誰も居ない・・・。と言っても、ギターリスト二名とキーボーディストはそれからもう五年経つので、このバンドとしてはかなり安定したラインナップではある。
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