Richard Street リチャード・ストリート
が亡くなった。
二月二十七日。享年七十。肺塞栓(症)。
こちらは吉岡正晴氏のブログ。僕は二十八日深夜(日付は三月一日に変わっていた)、同氏のトウィッター(ツイッター)への呟きで知った。
そのブログで知ったのだけれど、リチャードがザ・テンプテイションズに在籍していたその初期、’71-5年に活動を共にしていたデイモン・ハリスも二月の十八日に亡くなっているのだという。
ザ・テンプテイションズは、何故か早世するメンバーが多い。もう「早世」とはいえない大ヴェテランだけれど、同時代のグループと比べて物故者が多いのは確か。
メンバーの変遷が激しいという事も理由ではあるのだろうけれど(在籍中に亡くなったメンバーはおそらく一人、メルヴィンだけ)。
デビュー時の五人
Otis Williams
●Melvin Franklin
●Eddie Kendricks
●Paul Williams
●Elbridge Bryant
その中のエルブリッジ・ブライアントが
●David Ruffin
に交代した五人がいわゆる全盛期。
しかし以降も栄光の歴史が続くのがテンプスの凄い所だ。
加入するメンバーは、年代順に、
Dennnis Edwards
●Ricky Owens
●Damon Harris
●Richard Street
Glenn Leonard
Louis Price
Ron Tyson
●Ali Ollie Woodson
Theo Peoples
●Ray Davies
これで1990年前半。
以降も新メンバーを加入させてザ・テンプテイションズは活動中。
何と、「●」印をつけたメンバーはもうこの世に居ない。
不幸中の幸いというべきなのだろう、結成メンバーの中でリーダーのオーティス・ウィリアムズだけが存命でありメンバーで居続けている。
心中を察するに余りある。
僕が何度も何度も彼らを観たのは九十年前後。メンバーは
Otis Williams
Melvin Franklin
Richard Street
Ron Tyson
Ali Ollie Woodson
八十年代半ばからの、いわゆる「アリオリ時代」、この時期も黄金期である。
リチャード・ストリートはライヴではMCを担当する事も多かった。そのソフトな喋りやファルセトーはスモーキー・ロビンスンの流れを汲むもので、つまりエディ・ケンドリックスのレパートリーをロン・タイスンと分け合って歌っていた(※)。
中盤でお客さんを何人か舞台に上げ、「マイ・ガール」をワン・コーラスずつ歌わせるというコーナーが有ったのだけれど、そのとき彼は司会役だった。
僕も一度歌った(※2)。
イントロで♪Do you know this so~ng? と彼が歌う。彼が緊張をほぐしてくれた。
アルバムのカヴァー写真他に残されている彼の優しい笑顔を、今は思い出すと辛い。
以降は日を改めて。
(※)但し彼は、最初はポール・ウィリアムズの代役そして後継としての参加であるので基本的には「バック・コーラス担当」だ。しかしテンプスのファンなら、「リードではない」事がその人物を蔑む事にはならないと理解して下さると信じる。
(※2)現在は休刊している「アドリブ」誌の読者投稿欄で「私も『マイ・ガール』歌いました~。私の前に歌っていたソバージュのお兄さん素敵でしたよ~」というものがあった。暗がりで少し癖っ毛の長髪…ソバージュと思われたか。おそらく僕なのだろう。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’13. (音楽紹介業)
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