June 12th, 2009. イシイ ポップス・イン・ザ・ボックス
提供:石井食品
vol. 585.
M1
16:03 MUSIC
Carole King
M2
16:07 THE GLOW OF LOVE
Change
M3
16:11 GEE WHIZ (LOOK AT HIS EYES)
Carla Thomas
M4
16:13 LAST NIGHT
The Mar-Keys
M5
16:17 ALL ABOUT OUR LOVE
Sade
ミドル4:キャロール・キング
M6
16:22 SO FAR AWAY
M7
16:26 I FEEL THE EARTH MOVE
M8
16:29 YOU’VE GOT A FRIEND
M9
16:3 (YOU MAKE ME FEEL LIKE) A NATURAL WOMAN
Carole King
M10
16:40 CUPID’S ARROW
Frank McComb
M11
16:46 WEEKEND GIRL
The S.O.S. Band
M12
16:52 THE END OF THE INNOCENCE
Don Henley
はっきり言えば、キャロール・キングはそれほど歌唱力の有る人ではない。
クラシックやミュージカルといった、いわゆるショウビズ的な観点から考えると、彼女は音域は狭いし、音程コントロールも不安定だし、先ずそれ以前に美声でも無い。本人もそれらに気付いているので自信が無さそうに歌う。
ルックス面でも、可愛らしいとは言えるけれど、いわゆる美人では無い(僕は好きだけど)。
しかし。
この心地良さは何なのだろう。
勿論、彼女が作る曲が素晴らしいというのは最重要。七十年代初頭の、優しい音楽が求められる世情に合った、隣から語りかけてくれる「普通さ」もあったのだろう。
そういった様々な偶然が重なり、アルバム『Tapestry(つづれおり)』は大ヒットした。
そのゴスペルやR&Bの香りをたたえた音楽はソウル界でも支持され、アリーサ(アレサ)・フランクリンへの曲提供や、ジー・アイズリー(アイズレー)・ブラザーズ、ダニー・ハザウェイ(ハサウェイ)のカヴァー等も生んだ。カヴァーしたくなる良い意味での敷居の低さも魅力なのだろう。
キャロール・キングを思う時、僕はよく「大草原の小さな家」に出てくるローラを連想する。TVで番組を毎週観始めていた当時はまだ小学生で、僕は洋楽好きになる前だった。
美人のナンシー姉さん、幼い妹のキャリーの間で、姉妹・家庭・近所づきあいを見つめる彼女。
原作の小説を書いた作家=ローラ・インガルズ・ワイルダーと彼女が同一人物である事に気付いたのは少し経ってからだった(※)。
飛び抜けて美人でもない、お転婆娘である自分の周りで、自分が中心ではない形で起こる様々な日常。それらを切り取り、誰もが共感出来る普通の視点で話を書く。少しノスタルジックで、無邪気だった頃の自分を重ね安い。
当事者の一人ではあるのだが、作者自身の感情は抑え気味。
そばかすが目立つ。
それって、キャロール・キングではないか。
近年の「居間でのコンサート」というコンセプトにとても納得がいく。
(※)多分同じ頃にTV番組制作のプロデューサーや脚本家のマイクル(マイケル)・ランドンが父親役である事にも気付いた。何だ、道理でやけに良い「とうさん」である訳だ(笑)。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
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