August 28th, 2009. イシイ ポップス・イン・ザ・ボックス
提供:石井食品
vol. 596.
M1
16:03 SAILING
Christopher Cross
M2
16:07 LONG HOT SUMMER
The Style Council
M3
16:11 PIANO MAN
Billy Joel
M4
16:17 XANADU
Olivia Newton-John/Electric Light Orchestra
M5
16:20 BREAKFAST IN AMERICA
Supertramp
ミドル4:ザ・ビーチ・ボーイズ
M6
16:25 BARBARA ANN
M7
16:29 GIRLS ON THE BEACH
M8
16:31 CATCH A WAVE
M9
16:33 ALL SUMMER LONG
The Beach Boys
M10
16:37 DON’T LET ME BE LONELY TONIGHT
The Isley Brothers
M11
16:41 UPSIDE DOWN
Diana Ross
M12
16:46 GOLDEN LADY
Stevie Wonder
M13
16:51 SAILING
Rod Stewart
夏。
後から思えば彼等(特にブライアン・ウィルスン[ウィルソン])には似合わない「ザ・ビーチ・ボーイズ」というバンド名。バンドいち(唯一?)の夏男・スポーツマンであったデニス・ウィルスンの提案であったという、サーフィンを題材とした初期レパートリーにはしかしピッタリの名前であった。
数年間はこの「夏、車(サーフィン・ホット・ロッド)、女の子」と、或る意味で表裏一体と言える「孤独、部屋」のイメッジで駆け抜けた彼等は、音楽的な成長を更に続けるにあたり、そのバンド名が足かせになってしまうかの様な音楽性・歌詞のテーマを獲得する。
まぁ、それはそれ。『ペット・サウンズ』期やそれ以降も大好きではあるけれど、「夏」期を返す刀で批判する風潮(一時期程ではないにしても)にはとても違和感が有るので必要以上に持ち上げる気は無い。
大体、例えばザ・ビートルズの場合、「抱きしめたい」と「カム・トゥゲザー」を対立する位置付けで語る事は無いのに、何故ザ・ビーチ・ボーイズはそうなってしまうのだろう? 「フロム・ミー・トゥ・ユー」と「デイ・トリッパー」なんて、かなり違うのに。
それはさて置き。
当然の様に夏の歌の多いザ・ビーチ・ボーイズ。『オール・サマー・ロング』というアルバムも有る。
そのタイトル曲(今回のM9)は夏の終わりにとても聴きたくなる・番組で紹介したくなる曲だ。
「夏」という季節の持つ
明るさ・暗さ
楽しさ・切なさ
ワクワク感・不安
が、
このわずか二分の曲に詰め込められている。素晴らしい。
曲が世に出た約十年後、映画『アメリカン・グラフィティ』のエンディングで使われたのも頷ける。映画全体の選曲が素晴らしいのだが、最後がこれとなった御陰で、この映画が単なる若者風俗を活写した楽しいだけの映画では無くなったのだと思う。ヴェトナム直前の、何処かに悪い予感を含んだ、影の濃い明るさと言うべきだろうか。
実際に、そのエンディングで主要登場人物のその後が文章で示される。「オール・サマー・ロング」に乗せて。♪夏の間中、僕は君と一緒さ
これはこの時代を実体験したアメリカ人には堪らないだろう。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
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