September 11th, 2009. イシイ ポップス・イン・ザ・ボックス
提供:石井食品
vol. 598.
M1
16:04 FAITH
George Michael
M2
16:07 RESPECT
Otis Redding
M3
16:10 WHAT GOES AROUND COMES AROUND
Lenny Kravitz
M4
16:14 STAND BY ME
John Lennon
M5
16:18 SPACE COWBOY
Jamiroquai
ミドル4:ザ・ドゥービー・ブラザーズ
M6
16:24 LONG TRAIN RUNNIN’
M7
16:27 TAKIN’ IT TO THE STREETS ドゥービー・ストリート
M8
16:32 HERE TO LOVE YOU
M9
16:36 LISTEN TO THE MUSIC
The Doobie Brothers
M10
16:42 QUEEN OF HEARTS
Juice Newton
M11
16:46 TENDER LOVE
The Force M.D.’s
M12
16:50 CAN’T HELP FALLING IN LOVE 好きにならずにいられない
Tuck & Patti
M13
16:53 GIVE ME LOVE
George Harrson
以前からよく番組内で話している内容ですが、今回もしつこく主張してみました(笑)。
ザ・ドゥービー・ブラザーズは前期も後期も良い。大体、どちらかが好きでもう一方を蔑む傾向は糾すべき・
イーグルズをバーニー・リドゥン期とジョー・ウォルシュ期で分ける
ザ・ビートルズを赤盤と青盤期で分ける(これはそういう編集盤が在る訳だけれど)
ジェネシスをピーター・ゲイブリエル(ガブリエル)在籍時と脱退後で分ける(※)
シカーゴを「長い夜」の頃と「素直になれなくて」の頃で分ける(※2)
というのと同様に、別に「どっちが」という線引きをしなくても良い気がするのです。
それは、
ジャーニーをスティーヴ・ペリー加入前と後で分ける(再結成後は置いておいて・・・)
ディープ・パープルを各期で分ける
というのとは違うと思うから。
ザ・ドゥービーズは、キング・クリムズンと同様に一枚毎に少しずつメンバーが交代していますが、クリムズンの様な音楽性の劇的な変化はみられず、緩やかな変化を着実にしていきます。
特にメインのソングライター(=リード・ヴォーカリスト)が代わった事で、表面的な印象が変わったのは事実ですが、根底に流れるグルーヴ、リズム・アンサンブルで聴かせる手法、そしてそれは16ビートやカントリー(思えば何と大胆な同居!)が基調となっているという点は一貫していると思います。
そして何と言っても一貫しているのは素晴らしいコーラス。これもソウルとカントリーのマナーですね。
テッド・テンプルマンというプロデューサーがずっと手掛けていた事も一貫性を保つ意味では重要だったのでしょう。彼はレコード制作にあたり、音楽面というよりも快適な環境作りを重視するタイプ。七十年代、ザ・ドゥービーズと同時進行で手掛けていたのはリトル・フィート、ヴァン・へイレン、二コレット・ラースンといった面々と書けば御理解頂けますでしょうか。彼は元々モービー・グレイプのメンバー(ドラマー)。ミュージシャンがレコーディングにあたり希望するのは良い環境、という事をきっと体で知っているのですね。
ザ・ドゥービー・ブラザザーズの音楽性の変化は時代の変化と歩調を合わせており、やがてその変化を牽引する側になりました。
これこそが「ザ・ドゥービー・ブラザーズ的」なる「音」を彼等が獲得していた証ではないでしょうか。
(※)もし分けるのであれば、むしろスティーヴ・ハケットの脱退を境にした方が音楽性に関しては見えてくるものが有る気がします。
(※2)「八十年代になって軟弱になった」と言われがちですが、メロウな音楽性は彼等が初期から持ち合わせていたものです。リスナーやレコード会社が歓迎する側面が時代により変わるだけで、最初から多面性が売りだったバンドです。プロデューサーによって仕上がった音の好みはどうしてもあり、僕はデイヴィッド・フォスターのセンスが少々苦手なので、つまり・・・。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
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