February th, 2010.
イシイ ポップス・イン・ザ・ボックス
提供:石井食品
vol. 622.
M1 (オーケストラ・ヴァージョン)
16:03 A TIME FOR LOVE
Barbra Streisand
M2
16:09 BABE
Styx
M3
16:13 PLEASE DON’T GO
KC & The Sunshine Band
M4
16:17 JUST MY IMAGINATION (RUNNING AWAY WITH ME)
The Temptations
ミドル4:ザ・ナック – 追悼ダグ・ファイガー追悼として –(予告通り)
M5
16:23 OH TARA
M6
16:27 LET ME OUT
M7
16:29 THAT’S WHAT THE LITTLE GIRLS DO
M8
16:32 MABE TONIGHT
The Knack
M9
16:38 FEELS LIKE THE FIRST TIME
Corinne Bailey Rae
M10
16:42 FEELS LIKE MAKIN’ LOVE
Roberta Flack
M11
16:45 ALL MY LOVING
The Beatles
M12
16:47 RASPBERRY BERET
Prince and the Revolution
M13
16:50 WONDERFUL WORLD
Sam Cooke
M14 (M1のピアノ・トリオ+ギター・ヴァージョン)
16:52 A TIME FOR LOVE (quartet version)
Barbra Streisand
我々世代の洋楽ファンには特別だったロック・バンド、ザ・ナック。
ソウル&ディスコの時代に突如現れたストレイトなロックン・ロール・バンド。救世主扱い。
十年区切りの最終年=1979年にデビューした事から、「1980年代を担うニュー・カマー」「八十年代のザ・ビートルズ」としてミーディア(メディア)が大騒ぎ。
初来日でいきなり武道館、しかも二回。
しかし、「マイ・シャローナ」の空前の大ヒットの後は数曲のヒットにとどまり、正念場の三枚目が(良い出来であったにも関わらず)大コケして解散。
そんな経緯から、結果として、この数年を代表する刹那・時代の徒花という存在になりました。
この時期に思春期=中高生で洋楽ファンだった方にはとても甘酸っぱい存在だと思います。
これが二十歳前後以上になると笑われる存在ですし、数年遅れで後追いだともう「伝説の一発屋」。
「一発」ではありません。ザ・ナックはヒット・シングルと言えるものを少なくとも三曲は放っています。
彼等を思春期に同時代で愛でた一人として、この間違いはずっと訂正し続けていくつもりです。
彼等の残した音楽はそれ程に素晴らしいからです。
ザ・ラズベリーズ、チープ・トリック、ザ・ナックと続く、キャッチーで躍動感溢れる、しかしゴリゴリのロックン・ロールは、「パワー・ポップ」と本国では形容されているそうです。キッスもこの流れに含めて良いと思います。
共通点は勿論ザ・ビートルズ。
僕と近い世代のアメリカのロック・バンドは、チープ・トリックやザ・ナックを聴いてギターを持った・ミュージシャンを志したという人が多い様です。
ザ・スマッシング・パンプキンズ、ナヴァーナ(ニルヴァーナ)、パール・ジャムといったバンドは、(ブラック・サバス、レッド・ゼプリン[ツェッペリン]、ザ・クラッシュといった、英国のシリアスなロックの影響も強いですが)チープ・トリックやザ・ナック抜きには語れません。
特に出会いとなったデビュー曲「マイ・シャローナ」とデビュー・アルバム『ゲット・ザ・ナック』の登場は驚きであり、ロックは冬の時代だったので喜びでした。
すぐにギターを持ってパーティ・バンドで演奏した事でしょう(それをするには、前年デビューのヴァン・へイレンは難しかったのですね[笑])。
今週の「ミドル4」はその『ゲット・ザ・ナック』収録曲から厳選しました(ホント悩みました)。御楽しみ頂けましたでしょうか?
良い曲、多いんです。セカンドとサードも。
上記の一発屋差別から、セカンドやサードが恒常的にCD発売されていないのですが、一度も売れていないバンドの異色作(マニアは高く評価しがち)よりも、ザ・ナックのサード『ラウンド・トリップ』をしっかりと再発売して貰いたいものです。
嫌な切っ掛けではありますが、追悼として今のタイミングでどうでしょうか、キャピトル(EMI)様?!
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
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