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197 5/21 シャーデーの変わらぬ佇まいは努力の賜物。 | GOOD TIMES | グッドタイムズ

197 5/21 シャーデーの変わらぬ佇まいは努力の賜物。

May 21st, 2010.
イシイ ポップス・イン・ザ・ボックス

提供:石井食品

vol. 634.

M1 (今月の課題曲!)
16:03 GEORGIA ON MY MIND 我が心のジョージア
James Brown

M2
16:07 REACH YOUR PEAK
Sister Sledge

M3
16:12 BODY AND SOUL
Anita Baker

ミドル4:シャーデー
M4
16:20 BE THAT EASY
M5
16:24 BABY FATHER
M6
16:29 YOUR LOVE IS KING
M7
16:32 IN ANOTHER TIME
Sade

M8
16:40 WORKING MY WAY BACK TO YOU/FORGIVE ME GIRL
Spinners

M9
16:46 STAND BY ME
John Lennon

M10
16:49 SOLDIER OF LOVE
Sade

 シャーデー の新作にはいつも驚かされます。

 思えばデビュー作から驚きでした。
 あの時期にあの音作り。僕は高校生でしたから、何だか聴くだけで大人になった気になったものです。
 いえ、そういう「使い方」をした訳では有りません。少なくとも僕の場合は(笑)。音楽を男女交際の道具にしたりするのは言語道断、ミュージシャンに失礼だと思っていましたから(この考え方は基本的に今でも)。
 そういう風に「使った」十代を過ごせていたら、また別の人生が開けていたかも知れません・・・。
 が、僕はひたすら聴きまくり調べまくるのみ。「録音したカセットのインデックスにどれだけ凝るか」が毎日の最重要事項でした。FM雑誌の何処を切り抜くか、LPコピーならどの情報(メンバー、プロデューサー、録音場所)を書き写すべきか、ジャケット写真をインデックス・カードの何処に貼るか、といった諸々。
 それを誰かに見せるという訳でも無いのに、ひらすらそれに情熱を注いだものです。

 脱線しました。
 シャーデーです。

 その大ヒット直後から、流行の常としてどんどん「それ風の音」が登場しましたが、矢張り最初にその座についた彼女達(※)の地位は孤高で、誰も代われません。今回の様に約十年の空白があっても。

 「変わらない」といわれる彼女達の足跡はしかし、「研ぎ澄まされていく」「より洗練へ、更に洗練へ」という「前進」を続けています。その意味では常に変化していると言えます。

 ファースト『ダイアモンド・ライフ』(1984) とセカンド『プロミス』(1985) はほぼ同じ印象でした。ファーストが高い評価と人気を得ている最中という「勢い」もあり、そしてそれが自信となったのでしょう、セカンドにして早くも余裕が感じられた、という程度の変化だったと感じていました。
 まぁよくこの二枚は続けて聴いたものです。

 驚いたのは三枚目『ストロンガー・ザン・プライド』(1988) です。此処からシャーデーが「とんがって」きました。先鋭的・前衛的な程に音がシェイプ・アップされ、曲が、メロディがシンプルになりました。
 いわゆる「ロック的」な、時代の先端を行くという類の評価が以前よりも高まったのがこのアルバムからだと思います。

 以降の『ラヴ・ディーラックス』(1992)、『ラヴァーズ・ロック』(2000)、そして今回の『ソルジャー・オヴ・ラヴ』(2010) と、音数は減る一方。まだ減るか、まだ減らすのか、まだ減らせるのか、という具合(笑)。

 シャーデー・アドゥーがジャメイカに住んだり、英国郊外で静か暮らしたりという日々を送るにつれて、レゲエ的な洗練や先鋭的手法、そしてよりアクースティックな感触(しかし実はとても機械的なプロセスを経ている)を感じさせます。
 しかし聴感上はあくまで心地良い仕上がり。それが広く聴かれる理由である事は勿論です。

 勿論、アドゥー女史のルックス上の魅力も大きい。あの見事な美貌・体型維持は同性の憧れでしょうし、男性からすると近寄り難い程の神聖さ・観音っぽさ。と言っても俗な「色っぽさ」も併せ持っている訳で。
 いずれにしても溜め息が出ます。

 でも、次も十年待たなければならないのでしょうか。それはちょっと・・・、別の意味で溜め息(笑)。

(※)念の為に記しておきますが、「シャーデー」は、シンガー=シャーデー・アドゥの名から付けられた「バンド名」です。

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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