今朝、TVで知った。
こちらは公式ウェブサイト。今年予定されていた全ての演奏予定が中止となっている。
一昨年、去年とライヴを観た身としては、「やれるうちにやっておこう」という、彼の歳まわりでは当然とも言える、或る種の使命感を彼のパフォーマンスから感じていたので(※)、思っていたよりも早いとは言え「来るべき時が来た」という印象を持った。
公式コメントでは理由について触れていないので以降は野暮な補足になってしまうけれど、年齢(今年六十八歳になる)、癌・肺気腫といった病魔を考えたら、平穏な隠居を考えて当然であろう。
但し、トゥアーの半ばでの引退決断は、本人はかなり無念であったと思うが、だからこそ、「本人の意思を尊重」というマニジメント側の姿勢には拍手を贈る。去年、挨拶をさせて頂いた御本人やマニジャー氏から感じた御人柄を思えば納得であるが。
トゥアー中断という、志半ばでの決断ではあるが、達成感や満足感も御持ちであると信じたい。
「井上堯之バンド」、つまりロック・バンド編成の中での彼も観たかったが(二月に予定されていた)、こうなった今となっては、ライヴハウスで二回も観られたのを幸運だったと思うしかない。
オリジナル・ギターリストによる「時の過ぎゆくままに」のギター・ソロ(オブリであって、コードでの伴奏ではない!)に合わせて一番を丸々歌う観客の一人であった、一昨年の暮れの幸福感は忘れられない。
ミック・テイラー、エルヴィン・ビショップ、J.ガイルズ、ジョージ・ハリスン(ハリソン)、スティーヴ・クロッパー、ロニー・ウッド等、バンド内での位置や演奏面から連想するギターリストは色々居るが、去年のライヴではいよいよポップス・ステイプルズの境地に達しているのではないか、と思った(ギターも歌も)。
結果としてラスト・トゥアーとなった昨年のライヴの模様は収録されている。僕が観に行った横須賀の公演も。
CD或いはDVDとして作品化されるのを待ちたい。
昨2008年夏、横須賀でライヴを行った際の拙文(ライヴ・リポートではなく予告)。
こちらも同時期。
(ライヴ・リポートは、書こう書こうと思っているうちに、まとめ切れずに現在に至ってしまっている・・・。)
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
参考
オリコン
スポニチ
(※)観客として充分に楽しめたし、辛そうではなかったけれど、少なくとも「ずっとこんな風でいきま〜す」という楽観的な姿勢ではなかった。とても真剣な姿勢で取り組む必死さが、御人柄もあるのだろうけれど、キャリアの「まとめ」段階に入っている事を痛感させた。
コメント