Sep. 22nd, 2007.
人見欣幸の音楽三昧
阿久 悠(70) 追悼 (其の壱) 澤田研二 -a
『思いきり気障な人生』(1977年)
先ずは初の「阿久=澤田」作品から。
01 時の過ぎゆくままに, ’75.
side A
02 思いきり気障な人生
03 あなたに今夜はワインをふりかけ
04 再会
05 さよならをいう気もない
06 ラム酒入りのオレンジ
side B
07 勝手にしやがれ
08 サムライ
09 ナイフをとれよ
10 憎みきれないろくでなし
11 ママ・・・・・・
&
立ちどまるなふりむくな, ユ76.
ダーリング, ’78.
02-11: 『思いきり気障な人生』
全曲
作詞 阿久 悠
作曲 大野克夫
編曲 船山基紀
アルバム・タイトルと冒頭のタイトル曲で、その後数年間のジュリー、否、それ後、阿久 悠の詞を離れて現在に至る四半世紀以上に及ぶ路線が決まってしまったかの様にも思える。どんなにハードになっても、どんなにソフトになっても、オーケストラをバックにしても、ホコリっぽいドラッギーなズルズルのロック(元ドンファンR&Rバンドと共に!)になっても、ジュリーはいつも「気障」だ。その華は唯一無二。
阿久 悠はいつも澤田研二を主演俳優として扱い、どんな演技を見せてくれるのかを楽しみにしていたそうだ。そして勿論、ジュリーは常に素晴らしい演技をやってのける。
あの覚悟を決めたかの様な表情、仕草。他の歌手の「熱血」とは一線を画していた。澤田研二(と山口百恵)が「冷徹」に芸を磨き上げていくプロセスを、小学生の時に同時代で体験出来たのは本当に運が良かったとしか言い様が無い。
今回が、以降、全十二回に渡る特集の初回。
僕にとっての阿久 悠は、先ず澤田研二、チャー、大橋純子。
その他、有名どころは、数年前に出たボックス・セットを購入していたので運良く手元に揃っていた(ピンク・レディーや岩崎宏美はレコードでも持ってるけどね)。但し、失礼乍ら一回通して聴いただけという気がする。大体ボックス・セットはブックレット(膨大な資料)が目当てだったりもするので(そうじゃありません?)。
亡くなるなり「前から好きだったんだよね」とか言って慌てて買い集めるのは趣味じゃない(だって、それって外的要因で購入意欲を持つっていう事じゃんか!?)。ボックス・セットを買ってあった御陰で、今回はこのヴォリュームで特集をする事が出来た。
自分の死が近いのを察していたのだろうか。とすれば、見事な幕引きとしか言い様が無い。「追悼として買ったり、ラジオの選曲にもってこいだろ、これ」とばかりに出されたという気がしないでもない。
とすれば、最後迄カッコ良いし、同時に憎たらしい。結局、彼の手の上で躍らされているという気がしないでもない。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08. (音楽紹介業)
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