(4/16深夜加筆、4/25少し加筆→擱筆)
シーク フィーチャリング・ナイル・ロジャーズ(ロジャース)
2009年来日公演
初日の
四月三日金曜日。
(於:ブルー・ノート東京)
有難い事に、今回もシーク(シック) フィーチャリング ナイル・ロジャーズ(ロジャース)の東京公演に帯同出来ている。
昨日(金曜日)が初日で、つま二日目となる今日がいきなりピークとなるであろう土曜日となる(大変残念な事にその土曜日のみ、僕はその場に居られない・・・)。
同じ会場で連続して公演を行う場合、リハーサルは基本的に初日のみ行われる事が多い。更にシークの場合は十年以上ほぼ固定メンバーなので、バンド内としては曲や呼吸を思い出す為の軽い音合わせであり、リハーサルの主たる目的は会場スタッフとの意志疎通・モニターバランスのチェックという事になる。
結局、リハーサルでは演奏されたが当夜の本番ではカットされたものもあり、残念だった。実現していれば日本初演となるものも含まれていたのだけれど・・・。
兎に角、バンドは東京で再びライヴを行える事をとても喜んでいてくれている。ギター・コンテストもとても良いアクセントになっていて笑える(明らかにウケ狙いの輩も居て、それが又おかしい)。
特に前回の来日に参加出来ず、三年振りのシークでの来日となるべイシスト、ジェリー・バーンズは俄然張り切っているという印象を持った、そんな初日の二回の公演だった。
set list (二回とも同じ、曲名後の括弧内はオリジナル収録アルバム)
(結果、全公演変わらず)
OPEN UP (Real People, ’80.)
EVERYBODY DANCE (Chic, ’77.)
DANCE, DANCE, DANCE (YOWSAH, YOWSAH, YOWSAH) (Chic, ’77.)
I WANT YOUR LOVE (C’est Chic, ’78.)
medley:
I’M COMING OUT (Diana/Diana Ross, ’80.)
UPSIDE DOWN (Diana/Diana Ross, ’80.)
HE’S THE GREATEST DANCER (We Are Family/Sister Sledge, ’79.)
WE ARE FAMILY (We Are Family/Sister Sledge, ’79.)
-guitar contest-
medley:
CHIC CHEER (C’est Chic, ’78.)
MY FORBIDDEN LOVER (Risque, ’79.)
LE FREAK (C’est Chic, ’78.)
GOOD TIMES (Risque, ’79.)
※有難い事に、今回もリハーサルから会場に入れて貰えた。お福分けという事でその模様を。
リハーサルでは、
GOOD TIMES
EVERYBODY DANCE
I WANT YOUR LOVE
DANCE, DANCE, DANCE (YOWSAH, YOWSAH, YOWSAH)
OPEN UP (※)
を思い出す感じでサラリと演奏、
それと、リチャード・ヒルトンが
Savoir Faire
を合間合間で「ナイル!」と呼んでは弾いているのが面白かった。覚えたてで自慢したかったのだろうか?(笑) リッチとナイル(うろ覚え)でフワフワとこれを演奏していたのが気持ち良かった。
そして!
LOST IN MUSIC (日本では演奏された事が無い)
が試されていた。
とっっっても良かったのだけれど・・・。
又、バスの中では
THINKING OF YOU
という曲名も出ていた。
とっっっっても聴きたいのだけれど・・・。
(僕はこの一週間ぐらい、頭の中に流れているのがずっとこれなのです。)
この二曲、とっっっっっっっても聴きたい。
オープニングMC&SEとバンドの音の重ね具合やSEヴォリュームを絞るタイミングを、PA担当者に「前回と同じと伝えてくれ」と、マニジャーのピーターは僕にその伝達を託してくれた。
それが会場での僕の初仕事! 気を遣ってくれたのかな。
会場スタッフからすると、僕は基本的には「みそっかす」なので(笑)、手伝える事は手伝っとかないとね。
でも、今回PAを担当される方は、前回モニ卓担当だったので、僕が伝えずとも既に承知していらしたのですが・・・。
(※) このキメだらけの曲は特に何度も演奏(練習)された(しかもライヴの一曲目ですからね)。
ビシッとエンディングが決まった何度目かのテイクの直後、ナイルがひと言
“Yeah! Average Black Band.”
く、くだらない・・・。皆、爆笑というより苦笑・・・。
言われてみれば、確かに「ピック・アップ・ザ・ピーセズ」の流れを汲む曲ではあるけれど。
こぼれ話:
ホテルから会場への車中で、マイクル(マイケル)・ジャクスン(ジャクソン)がO2アリーナで沢山公演をするという話から、一昨年(※)、レッド・ゼプリン(ツェッペリン)も再結成をその会場でやったな、という話で盛り上がり、ジェイスン(ジェイソン)・ボナムがかなり頑張って三人をしっかりさせたという話になっていた。
そこでナイルが一言。
「レッド・ゼプリンで一番重要なのはジョン・ポール・ジョーンズだ。あのベイス! あのオルガン! ピアノ! キーボード! スティーヴ・ウィンウッドより凄いと思うよ。初めて『カジミーア(カシミール)』を聴いた時は感動したね。」(※※)
流石。オヌシ、解ってるねェ(←何だその「上から目線」は!)
(※)「去年だったっけ? 一昨年だったっけ?」と話が止まっていたので、僕が「一昨年の終わり」と正答を挟み込んだ。この様に、割とミュージシャンは年号や名前・曲名を曖昧に記憶している事が多いので、その部分を整理して話の進行をスムースにするのが僕の役目(笑)。今回も初日から早速「同席している意味」をアピール出来て良かった(笑)。
彼等が遊びや勢いで演奏し始める曲の曲名が出て来なかったりすると、「それは○○」と言う具合に僕の出番なのだ(笑)。結局、そういう奴。
「Chic Cheer」中、オハイオ州出身のビル・ホロマンのソロ・パートでメンバーがオハイオ・プレイヤーズの曲を始めた事が有る(大抵そういう「遊び」を始めるのはジェリー・バーンズ)。いきなり出来てしまう所が彼等の凄い所なのだけれど、曲名を皆、思い出せずにいた。終演後に楽屋で僕が「あれは『スキン・タイト』」。リチャード・ヒルトンが「そうだそうだ! 弾けるけど曲名が思い出せなかったんだよ。」・・・結局、そういう役(笑)。
(※※)ちなみに、ロバート・プラントのプロジェクトで、「シー・オヴ・ラヴ Sea of Love」の大ヒットで知られるザ・ハニードリッパーズ The Honeydrippers にジミー・ペイジとナイルは参加している。アルバム『ヴォリューム・ワン Volume One』詳しいクレジットが載っていないのでペイジとナイルがこの時に顔を合わせているかどうかは未確認。
因みに2003年に出ている『ロバート・プラント・アンソロジー Sixty Six to Timbuktu』に拠ると「シー・オヴ・ラヴ」のギターはナイル、ギター・ソロはペイジ。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
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