忌野清志郎が亡くなった。
五月二日零時五十一分。
癌性リンパ管症。
享年五十八。
昨晩23:55に、E-メイルでそれを報せてくれたのは、湘南ビーチFMきっての清志郎ファンである久保田悦子。
タイトルが
「人見さんどうしよう」
だったので開く前に理解した。
僕はその時刻にはまだ起きていて、しかし就寝前のメイル・チェックを怠ってしまった。
明けて三日朝五時過ぎの時点で、彼女のブログにまだその事に触れる文章は掲載されていない。
(追記:彼女のブログは四日の夜明け前に更新された。容体が急変という頃に、夢に彼が出て来たという。そういう事って、あると思いますよ。)
そんな状態の中でわざわざ僕に報せてくれたというのに、結果、五時間以上も気付かずにいてしまったのを悔やみ、彼女に申し訳なく思っている。
僕はずっと彼のファンであったという訳では無かった。否、ファンではあったのだけれど、作品を逐一聴き込んだり、集めたり、トゥアーの度に通ったりはしなかった。
実は何故かこの一週間ぐらい、RCが、清志郎が良く頭の中で流れていた。『ティアーズ・オヴ・ア・クラウン』だったかな、多めだったのは。
訃報を耳に(目に)してから、頭の中はずっと「よォーこそ」だ。
何がようこそ、だよ。
僕はこれから四時間かそこらで生放送で音楽番組をやらなくっちゃいけないの。
洋楽の、七十年代の番組なの。
RCは八十年代に入ってから人気爆発、それ以前に邦楽だぜエヴリボディ〜。
お〜うボディ〜? ははァ。
で、オーティス・レディングは六十年代だぜ、ベイべー。
どうすりゃいいのさ。何を言えば良いのよ。言わずにはいられないし。
客観的な評価はいくらでも出来る。でもそれは(或る程度は)どうでもいい。少なくとも今は。
例によって、
「坂本龍一さんとのヒット・シングルで知られる」
とか
「過激な発言で知られる」
とかいう紹介で、つまり、
ろくすっぽ彼のことなんか知らない、
ロックが無くても生きていける様な輩
が、「偉大だ」だの「格好良い」だの(←栃木北部弁)とコメントをし始めている事だろう。
もう、放っといて下さい。頼むから。
清志郎に笑われるよ。
僕が日本のロックに対して「歌詞カードが無くても、聴くだけで何を言っているのかが判る歌い方をしている人は、音楽性云々以前に素晴らしい」という基準を持つに至ったのは、彼がそうだからだ。
彼の言動にはいつも笑わせて貰ったし、賛同・応援して来たつもりだ(これでもね)。
大体、自宅スタジオに「ロックンロール研究所」と名付ける人を尊敬しない訳が無い(笑)。
「研究」していたのだから。
素晴らしい。
僕が最初に買った日本のロックのLPは『ラプソディー』だった。中学二年。
その選択に間違いは無かった、その選択に恥じない三十年を僕は過ごして来た(これでもね)と思っている。
それが誇りだ。胸を張って「ロックンロールろくでなし」を続けていると言える。
だから、彼に対しては「有難う」と言いたい。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
僕のブログでも良いですが、久保田さんのブログに、何かコメントを入れてみて下さい。気を休める意味でも、何か彼女に外に向けてコメントを発して貰いたいので。
本文の内容と関係の無い回でも、遡って清志郎に関する回を見付けてでも構いませんから。
追記(同日朝七時過ぎ)
NHK七時のニューズ冒頭の「今日の主な項目」では、新型インフルエンザに続く二番目の話題、「ミシェール・オバーマ大統領夫人の百日」よりも先の扱いだ。
湘南ビーチFMでは(八時からの江刺家 愛がトークで触れるかも知れないが、少なくとも「ニューズ」のゾーンでは)十時前に僕が第一報を伝える事になる。それで彼の死を知る事になる方もきっといらっしゃるのだろう。
改めて、放送の仕事に携わるという大役・責任の重さを感じ、・・・さて、そろそろ出掛けないと。
コメント
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「何かコメントを入れてみて下さい」と書いてあったので、
長文ですが、投稿できる文字数の関係で、数回にわけて、
個人的な文章を書かせてもらいます。
昨日は日吉のライブハウス・Napで、
自分のバンドのギタリストのソロライブがありました。
その帰り道、電車の中で、
いつも必ず持っている“トランジスタ・ラジオ”をつけたところ、
「雨上がりの夜空に」が流れていました。
それだけならなんとも思わなかったんだけど、
続けて「スローバラード」がかかったので、
「なんで今時RCを2曲続けて?」と思い、
すぐに「まずいな。こりゃ清志郎が亡くなったんじゃないか?」
とイヤな予感がしました。
「スローバラード」が終わるか終わらないかのあたりで
ノイズが激しくなり、放送がまともに聞こえなくなったので、
ラジオを切り、帰宅してパソコンを開いたら、思った通り訃報が… Like
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人見君はよく御存知の通り、
僕はRCの中では圧倒的にチャボ派でした。
RC後もチャボのソロや麗蘭は全部持ってるけど、
清志郎のソロは3枚しか持っていません。
でもやっぱり、復活コンサートの後、すぐ転移が見つかり、
療養に入ってしまったことは心配でした。
しかもそれからは、病状がほとんど伝えられなくなったので、
悪化してるのかなと気になってたんだけど、
良くない予想通り、残念な結果になってしまいました。
僕も5年前にガンになったけど、今は完治しています。
最近の医療の進歩はガンなんて簡単に治してくれるけど、
清志郎は重かったんだな… Like
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「多摩蘭坂」「甲州街道はもう秋なのさ」 「ヒッピーに捧ぐ」
「トランジスタ・ラジオ」を聞いて自分なりの追悼をした後、
他の人のブログを見たら、 ある人が
「ミスター・TVプロデューサー」を挙げていました。
そうか。
しんみりするより、ドカーンと送った方が清志郎は喜びそうだな。
じゃあ僕は改めて「ドカドカうるさいR&Rバンド」で。 Like
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> 例によって、「坂本龍一さんとのヒット・シングルで知られる」とか
>「過激な発言で知られる」とかいう紹介で、
>つまり、ろくすっぽ彼のことなんか知らない、
>ロックが無くても生きていける様な輩が、
>「偉大だ」だの「格好良い」だのとコメントをし始めている事だろう。
以下、某新聞の記事の書き出しです。
「ベイベー!」や「愛し合ってるかーい!」などの決めぜりふ、
奇抜な衣装と演出で知られるロック歌手
始末が悪いことに、この記事がネットのニュースを検索すると、
どこも、ほぼ一番最初に出てきます…
ほんと、やめてほしい。 Like
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人見さん、いろいろ気遣って下さってありがとう。
勉強はキライだけれど、「ロッ研」は、行ってみたかった~。
明日の朝、たぶん今日の密葬の様子をワイドショー等々でやるんだろうけど、レポーターのおバカな質問、聞きたくないな。でも見ちゃうな・・・。 Like
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GAKUちゃん
キヨシローってさ、「ロックの神様」だったんだってね。
知らなかったなあ。
ベンキョウになるなぁ、一般マスコミ。
「誰も死んだ人の事 悪く言わないよ〜」だもんねぇ。
人見 Like
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etsu-shonanbreeze
日曜夕刻の「J-Delivery」で一曲かける気になってくれて嬉しかったです。それは貴女だけの「特権」ですもの。
何がしかの意思表明が出来るブログがある。それは数限りなくある。でも、僕や貴女には更に電波を使って想いを(アクセスしてくる人だけに伝わるという形では無く)一方的に発信出来る。
直ぐ(報道の翌日)に番組で追悼・感謝を言えたのは、そういう場を持っているのは、とても有難い事ですよね。
そう思わないとね。そう思いましょうね。
人見 Like
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がたがた言うなよ 奇抜な・・・とか清志郎を知らない人たちから見たらそういう表現になるだろう 普通、だって 筋金入りのファンのオレからみたってそうなんだから そういう 一般ピーポーの反応をマニアっぽくあざ笑う冷たい感覚がいやだ。清志郎はそんなんじゃなかった。 Like
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ガタガタ言うなよ 様
再訪して下さる事を、この返事を読んで下さる事を願います。
「冷たい感覚」と取られてしまったとしたら、それは僕の文章力が稚拙なせいです。会話と違い、本当に文章は「冷たさ」を、「攻撃的な匂い」を払拭するのが難しい。言葉で勝負をして来た忌野清志郎に改めて感服する理由はそこにもあります。
筋金入りのファンの方々を不愉快にさせてしまうのは僕の最も望まない事です。そういう意図は全く有りません。御読み頂く全ての方々にそれを理解して頂ける程の文章力は有りませんが、少しでも御理解頂ければ幸いです。
不愉快にさせてしまい申し訳有りませんでした。
人見欣幸 Like