2009年6月9日の日記。
(翌日、湘南ビーチFMウェブサイトのトップ頁に掲載)
六月九日ロックの日(※)。僕の担当日がこの日にあたると大抵は岩石ゴロゴロな内容となるのだが、今年はソウルフルな夜に。吉岡正晴氏をゲストに御迎えする事が出来たのだ。
氏が訳された「マーヴィンゲイ物語 引き裂かれたソウル」が先月末に発売、その文字校正を僕が担当させて頂いたという縁だ。著書「ソウルサーチン」発売(同じく校正を担当した)以来、実に九年振りのゲスト出演となる。
「彼の人生に沿って順番に選曲し語ろう」となった(※※)ものの、その壮絶な最期に至る波瀾万丈の生涯から美味しい所を厳選するだけでひと苦労。そこに氏が翻訳を担当する経緯、氏のマーヴィン観を挟むだけでいっぱいいっぱい。
マーヴィンが亡くなったのは四半世紀前、原書が出版されたのはその翌年。膨大な情報量と信頼性の高さから、マーヴィンに就いて書く際に先ずあたるべき参考文献として定本化しているそうだ。当時既に入手され、氏が「訳してみたい」と思った初めての一冊であったという本書を、約四半世紀を経て遂に訳出する事が出来たという達成感が、トークの明るさ、勢い、熱さを生んでいた。きっと聴いていた方にも伝わったと思う。其処に同席出来て、そういう場所を提供する事が出来て、僕はとても嬉しかった。
改めて感心してしまったのはそのとても整理された話しっぷり。僕の様に行ったり来たり澱んだり詰まったり脱線したりする事無く、とてもスムースに話をまとめ、先へ先へと進む。見習うべき点の多い大先輩なのである。
補遺
氏のブログでも触れて下さっている。何とその翌日も。イヤハヤ。
(※)何と渋谷陽一の誕生日でもある。出来過ぎた話だが事実。
(※※)「大まかなで結構ですので選曲を」と遣り取りを始めたのだが、「この場所で○○の話を」という所迄書き込まれた、とても詳しい構成表を作成して下さった。
「叩き台」としてというおつもりだったのだと思うが、足跡を辿る上で外せない楽曲を並べた、いじる隙の無い王道中の王道、手堅い選曲だったので、ほぼそのままを元に番組に臨んだ。つまり事実上、選曲・構成はほぼ丸投げ状態。
しかし喋りが勝ってしまい、番組中の判断でカットしたりBGM扱いにした曲は数知れず(笑)。
カット、或いはBGM扱いになってしまった楽曲:
AIN’T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH /Marvin Gaye & Tammi Terrell
I HEARD IT THROUGH THE GRAPEVINE
WHAT’S GOING ON
DISTANT LOVER (live version)
LET’S GET IT ON
I WANT YOU
WHEN DID YOU STOP LOVING ME, WHEN DID I STOP LOVING YOU
SEXUAL HEALING
一部をBGMとして敗者復活(?)させた為、元々BGMとして予定していた楽曲( ‘Mercy Mercy Me[The Ecology]’ さえも!)は順当に繰り下がりカットに・・・。
二人の間では、そうなる事が番組前から予想されていた、もとより無理のある詰め込み方ではあったので「思った通り」ではあったのだけれど(笑)。
来週以降でいくらかフォロウをしたい。
ダリル・ホールによる「WHEN DID YOU . . .」のカヴァー(好きなんだよなぁこれが)等も交えて。
(他のフォロワーに隠れてしまいがちだけれど、
「実はとってもマーヴィン」な人として、
アメリカ白人→ダリル・ホール
イギリス白人→ポール・ヤング
日本人→柳ジョージ の名を記しておきたい。)
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
コメント
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「マーヴィンゲイ物語」ですが、ノーナリーブスの西寺君が、
TBSラジオの番組で「素晴らしい本です」と絶賛していました。 Like
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GAKUちゃん
「ノーナ」はマーヴィン・ゲイの娘、ノーナ・ゲイから、
「リーブス」はマーサ&ザ・ヴァンデラズのマーサ・リーヴズから取った名前なんだってね。
筋金入りのモータウンを誓った名前ですな。
この日に吉岡さんから教えて貰いました。
吉岡さんのブログにも書いてあります。
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他局の話ですいませんが、先週「バック・トゥ・ザ・'70s」の後、
達郎さんの「サンデー・ソングブック」を聴いたら、
モータウン特集で、「マーヴィンゲイ物語」を5名のリスナーにプレゼントとのことでした。
達郎さんも気に入っておられるようです。 Like
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「気に入る・入らない」といった作品性のレヴェル以前に、客観的な資料性の高さから、特に六十年代と七十年代の黒人音楽好きには興味深い内容が満載なのです、この本は。
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