ブルース・スプリングスティーンが、多くのヴェテランが近年実施している「アルバム丸ごと再現ライヴ」を今、地元ニュー・ジャーズィ州のジャイアンツ・ステイディアムで行っているそうだ。
こちらはロッキング・オンのウェブサイト。
9/30 BORN TO RUN (明日なき暴走)
10/2 DARKNESS ON THE EDGE OF TOWN (闇に吠える街)
10/3 BORN IN THE U.S.A.
10/8 BORN TO RUN (明日なき暴走)
10/9 BORN IN THE U.S.A.
既報の通り、年内でジ・E・ストリート・バンドが活動を休止するので、特に「今のうち」感が強いのだろう。
欲張りなファンとしては、どうせならファーストもセカンド(「New York City Serenade」!!)も聴きたい。そして何と言っても『THE RIVER』。二枚組だから二回に分けて、どうでしょ?
近年の『MAGIC』もまとまりの良い一枚だったので聴きたかったなぁ。
このヴェテランの間で流行(?)の「アルバム丸ごと再現ライヴ」。
「次に何を演奏してくれるのだろうか、というライヴならではのワクワク感が無い」という批判も耳にするけれど、「アルバム」という一つの単位で、一種の組曲として考えれば良い気がする。ザ・フーの『TOMMY』やイエスの片面一曲の様に。
ファンからすれば「これらの曲群を最初に聴いた時はこの曲順だった」と言う思い入れも有る訳で、これはこれで意義有る回顧だと思う。
例えば『BORN TO RUN』はひとつのコンセプト・アルバムであるとも言える訳で(※)。
エアロスミスの今年のトゥアー(スティーヴン・タイラーの怪我により途中でキャンセルされた)では、名盤サード『TOYS IN THE ATTIC (闇夜のヘヴィ・ロック)』全曲演奏が行われたという(※2)。『ROCKS』も『DRAW THE LINE』も聴きたいなあ。
「回顧」では無いけれど、佐野元春の今年のトゥアーは、目下の最新作である『コヨーテ』録音時のメンバー(レギュラー・バンドではなかった)を集め、曲順もそのままに再現したという。特別な一枚だった事が伺える(※3)。『SOMEDAY』(『明日なき暴走』同様に三枚目だ)丸ごとを期待するファンも多いだろう。
ジノ・ヴァネリには『NIGHTWALKER』丸ごとライヴを是非演って頂きたい。想像しただけでワクワクして来た。
プリンスのあれとか、これとかも。
少し主旨から外れるけれど、チープ・トリックが行った『SGT. PEPPER’S LONELY HEARTS CLUB BAND』全曲ライヴが商品化されるという噂が有る。聴きたい。
CD普及から約二十年。「アルバムとして聴く」という意味が変わってきた、アルバムを通して聴くという前提が、スキップ出来てしまう功罪の「罪」により崩れた。作る側も開き直っている感が強い。
「四十五分のドラマを作ってもその流れで聴いてくれないのなら・・・」と言うのは解らないでもない。
そう考えると、アルバムの「作品」としての物語性・完成度の再確認という意味で、この動きは意味が有る気がする。
このブルース・スプリングスティーンのライヴはきっと商品化されるだろうから、その際には是非聴きたい。
(※)ブルース曰く「あれは同じ晩にそれぞれの場所で起こった出来事をまとめたものなんだ」
そう考えると余計にロマ〜ンティ〜ック。
(※2)但しタイラーの喉が本調子では無いという理由から、難度の高い最終曲「YOU SEE ME CRYING」はカットされた。
(※3)「この主人公であるコヨーテという人物が良い人間か悪い人間かというと、どちらかというとバッドな」
いやだから其処で英語にしなくても佐野さん(笑)。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
コメント
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>チープ・トリックが行った『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』
>全曲ライヴが商品化されるという噂
おお、それは楽しみだ。
ぜひ聴きたいです! Like
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>其処で英語にしなくても佐野さん
もはや全盛期の長嶋さんのようですね(笑) Like
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GAKUちゃん
チープ・トリックのそのライヴ盤、輸入盤でもう出てた。
確か去年のライヴ。
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