エンジニア/プロデューサーのグレッグ・ラダニーイ (Greg Ladanyi) が亡くなった。
九月二十九日。享年五十六。事故死。
こちら
はヤフー!ニューズより。
八十年代のウェスト・コースト・ロック・ファンであれば御存知の名前では無いだろうか。
ジャクスン(ジャクソン)・ブラウン、ドン・ヘンリーとの仕事で僕は印象深い。ジャクスンへの憧れ(又は共感)を隠さない浜田省吾(※)のアルバム『J-Boy』にもミクサーとして彼の名が。
何と、仕事中の事故死。ライヴ会場でコンクリートの床に五メートル上から落下、頭部を打ってしまったのだという。
his famous produced works:
Jackson Browne
HOLD OUT, ’80.
LAWYERS IN LOVE, ’83. (※2)
Warren Zevon
BAD LUCK STREAK IN DANCING SCHOOL, ’80.
STAND IN THE FIRE, ’80.
THE ENVOY, ’82.
Don Henley
I CAN’T STAND STILL, ’82.
BUILDING THE PERFECT BEAST, ’84.
THE END OF THE INNOCENSE, ’89.
The Jeff Healey Band
SEE THE LIGHT, ’88.
Fleetwood Mac
BEHIND THE MASK, ’90.
つまり、八十年代に入り、ナイーヴなままではいられなくなった内省的なアメリカン・ロックの良心を、少しずつ形を変えつつも内省的なものとして継続させようとしていたミュージシャンが組んだプロデューサーの一人と言えるだろう。その立ち位置はジミー・アイオヴィーン(トム・ペティ近辺)と少し似ているだろうか。
ジャクスン・ブラウンとは縁が深く、上記以外のファースト〜『RUNNING ON EMPTY (孤独なランナー)』、『LIVES IN THE BALANCE』にもエンジニア或いはマスタリング・エンジニアとして関わっている。『RUNNING …』DVDオーディオ盤のリミックスも彼の手による。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
(※)
バック・バンド名:ザ・フューズ
事務所名:ロード&スカイ
トゥアー・タイトル:オン・ザ・ロード
は、いづれもジャクスン・ブラウンの曲名、
飼っている犬の名はジャクソンだそうだ。
それをジャクスンのアルバム(コンピレイション)のライナーに書いてしまう正直っぷりは拍手もの。
(※2)
このアルバムが出たタイミングで行われた「ベストヒットUSA」の西海岸取材で、小林克也がジャクスンと街を歩いている部分が有る。当時彼が使用していたスタジオは只のマンションの一室。
「此処で録音をしたの?」
「そう。」
「この広い中に楽器を並べて?」
「そう。」
「ドラムズの回りに(他の楽器用マイクに音が回り込まない様に)衝立を立てたりは?」
「いや。ドラムはドラムの音がする。」
(当時の記憶なので細部ママ)
とても印象的な遣り取り。「カッチョ良いなぁジャクスン!」と思ったものだ。
その「ドラムの音」を録ったのがグレッグ。ちなみにドラマーはラス・カンケル(やっぱりジャクスンはラスが叩いていた時期が良いよなぁ)。
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