昨日の帰り、横須賀線の中で拾った新聞で知った。
ピーター・バラカンが襲われた。ジョン・レノンの命日に(狙っていたのだろう)。
その後に行われる予定だったトーク・ショウの控室で、突然催涙スプレーを噴霧されたという。喉や目の軽い痛みはすぐに治まったとは言え、しっかりショウを行ったというのだから、その使命感には恐れ入る。逆に彼に火がついたのだろうか。
今朝のTVショウで、取材を受けた模様がオン・エアされていた。かなり大きくフィーチュアされていたのには正直驚いた。彼自身もこの扱いには驚いていると思う。
その中の彼はいつもの彼で、整然と、しかし戸惑っているのを正直に滲ませており、静かな怒りを秘めているのが伝わって来た。こういう状況の中でこの形容はどうかなとも思うが、カッコ良かった。あの時代にロンドンで育った彼のロック魂を見た思いがした。これこそ正にジョン・レノンが我々に残してくれた態度ではなかろうかと思う訳であります。(←と、これは渋谷陽一の言い回し。)
実は十年前に彼に取材する機会を得、憶えて頂いている(僕は憶えられ易いからね!)。ラジオ、TVで持っていたイメッジ通りの、凛とした素晴らしい方だった。著書「魂(ソウル)のゆくえ」にサインをして頂いた(そろそろ改訂版が書店に並ぶ筈。楽しみ!)。
以前から彼の番組は聴いている。現在も尚、録音して番組を聴いている四人のうちの一人だ。「音楽の中で生きる」にあたり、その態度や聴き方の大いなる参考として、信頼出来る情報源として、特に信頼している一人だ。
(野暮かも知れないが一応:残る三人は渋谷陽一、山下達郎、小林克也)。
いちリスナー、いちファンとして、彼の無事を喜びたい。
この事件は、これにより何らかの警告をするつもりだったのであろう犯人の思惑とは異なり、ピーター・バラカンに静かな怒りを新たに植えつけさせただけだと思う。
そうなるであろうという想像(イマジン!)さえ出来ないとは何と浅薄な。
こんな大馬鹿野郎(これはテリー伊藤風)が居るのだ。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’07.
コメント
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いったいどんな目的で?
ひどいもんですね。 Like
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Taro
明日の番組はこれで選曲してみようかな、と。ピーター・バラカン・フェイヴァリッツと共に彼の無事を祝す九十分。
何でも番組のネタにしてしまうという、結局僕ってそういう奴(笑)。
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ビックリしました。
今の今まで知らなかった・・・
タイマー録音した番組を、ようやく聴き終えようとしています。
コメントはそれからにしようと思って。
音楽の語り部を担う人が、こんな形で事件に巻き込まれるとは。
強い憤りを感じ、本当に言葉がありません。
12月8日という日付は、正直あまり考えたくないのですが。
気丈にも講演会が行われたのが、不幸中の幸いでした。
キャスターとしての使命感、意地もあったのでしょう。
60s, 70sロックをリアルで体験された世代、
これで屈するようなバラカンさんでは、きっとないと思いますけど。 Like
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Masashiさん
御存知でなかったとは、いつも新情報を僕に教えて下さる方ですので、意外です。音楽情報というより芸能情報みたいな扱いですけどね、巷は。
コメント、御待ちしています。いえ別に催促しているのではありません。熟考して頂いて結構です。
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新聞にバラカン氏のコメントが出ていました。
「私の意見を不愉快に思う人がいるかもしれないが、暴力で襲うのは許せない」
全くその通りですね。
イベント会場が礼拝堂で、トークショーの内容は
「バラカン氏の解説で音楽を聴き、平和や幸せについて考える」というものだったそうですが、
平和を主張することに反感を持つ、好戦的な大馬鹿野郎の仕業だったのでしょうか。
いずれにしても愚かなことです。
バラカン氏をはじめ5人が被害にあったようですが、皆さん無事だったのは何よりでした。 Like