こちらは吉岡正晴氏のブログ。
「アドリブ」誌休刊に続いて、同しスイングジャーナル社刊行の、社名になっている看板誌が休刊というのは、ハッキリ言って只事では無い。
本屋に行って、音楽雑誌コーナーに立つと、コーナー自体が段々と狭まっている事に嫌でも気付かされる。
●音楽誌と映画・芸能誌(韓流が幅を利かせている)、アイドル誌、ムック(「月刊○○」といった写真集等)が一緒くたとなり「カルチャー誌コーナー」として統合→縮小される傾向。
○楽器の雑誌とロッキング・オン(※)刊行物だけが生き残っているという印象。
●立ち読みをしている人が手にしているのはアイドル誌が多い気がする。
男子学生が数名でグラビア・アイドルの誰それがどうしたこうしたと話しつつ。
女子学生が数名でジャニーズの誰それがどうしたこうしたと話しつつ。
○或る種の専門誌であるコレクター、マニア向けのものは数誌残っている(更に専門的な!)。本来、雑誌では勿体無いクォリティのものであり、もとより大きな発行部数は望めないと思われる。
●音楽・映画寄りのファッション誌みたいな内容のうっす〜いもの。
●「日経エンタテインメント!」の様な、対象がエンタテインメントのファンではなく、傾向を分析するだけの、つまりファンではない人(熱心なファン以外)向けの雑誌。
●「大人のロック!」の様な、対象が現役継続音楽ファンではなく、子供が手を離れた元ロック・ファンに「またギター持ったり、CDやDVD買ったり、ライヴを観に行ったりしませんか?」と呼び掛けている雑誌(これも日経が出している)。(※2)
●「オリコン」は「オリスタ」となり最早音楽誌では無い。巻末にチャート「も」載っている「芸能誌」だ。
つまり「音楽ファン向けの」コーナーではなく、「音楽も興味は有る」という程度の人が立つコーナーになりつつある。
まぁ1998年暮れの「ミュージック・ライフ」休刊から緩やかに進行している傾向ではあるのだけれど。でもこの十年、何とか低空飛行は続けていたと思う。それが最近、不時着・墜落が多くなった。
音楽雑誌がではなく、それどころか、雑誌が、本が、刊行物が、書店が、本当に大変な事になっているのだから仕方の無い所か。
いち読書好きとして、実は只事では無い。
因みに、現在、矢作俊彦が、同時に!三本も!月刊誌で!小説を!しかも長編を!連載中。
どれも面白い。が、果たしてちゃんと終えられるだろうか?(笑)(※3)
(※)推測だが、会社としては雑誌以外の収入(コンサートやウェブサイト等)があるから何とかもっているのではないだろうか。
(※2)勿論、彼等は業界を潤わせてくれているので大切だ。ラジオもその恩恵にあずかっている。僕が担当している「Back to the ’80s」なんて完全に(笑)。
(※3)休載のまま御蔵入りしている作品も少なくない。それどころか、上巻・中巻とでて下巻が出ていない小説「コルテスの収穫」なんてのも在る。面白いんだ、これが。続きが読みたい・結末が知りたいと思い続けて早や二十年以上(笑)。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
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