2010年5月18日の日記。
(翌日、湘南ビーチFMウェブサイトのトップ頁に掲載)
リナ・ホーン、ハンク・ジョーンズと訃報が相次いでいる。特に僕の様なロック好きには、ロニー・ジェイムズ(ジェームス)・ディオ死去の報はかなりこたえている事だろう。
ヒット・チャートやハード・ロック/ヘヴィ・メタルに夢中になった時期が(たとえ短期間でも)あって、それが切っ掛けで洋楽ポップス、ロックにハマったという方と知り合うと、とても嬉しい。同志だから。仲間だから。具体的な好みが一致していなくても、「姿勢」が似ているので話が合う事が多いからだ。世代が近いと尚更に。
五十歳位から下のロック・ファン(特にメタル寄り)であれば、ロニーの名を知らぬ者は居ないだろう。エルフ、レインボウ、ブラック・サバス、ディオ、ヘヴン&ヘルと歩んだ。好き嫌い以前に「凄いや、この人」と認めざるを得ない存在だ。米東海岸文化圏のイタロ・アメリカン(NY育ち)で、朗々と歌い上げる典型的なHR/HM唱法を確立した人でもある。この「歌い上げるイタリア系大衆音楽」という系譜で考えればフランク・シナートラ、ディオン、フランキー・ヴァリ、ザ・ラスカルズ、ヴァニラ・ファッジ、エアロスミス、ボン・ジョーヴィという流れの中程に位置付ける事も出来る。因みにデーモン小暮閣下(彼は素晴らしいシンガーだ)はディオの大きな影響下にある。
僕はリアルタイムだとブラック・サバスの♪ニオンナイチッ(Neon Knights)。レインボウにさかのぼって大好きになった。二十年以上前に一度だけ観たディオでのライヴ(JB、ジョージ・デューク&西城秀樹、クワイエット・ライオット等が出たチャリティ・コンサート)の圧倒的なパフォーマンスは忘れられない。圧倒的な声! 最後迄その歌唱力は衰えなかったという(享年六十七)。
訃報を耳にしてからずっと頭の中で流れているのは「スターゲイザー」なのだけれど、湘南ビーチFMセンスだと流石にやかまし過ぎるとオトナの判断が働き(笑)、番組では、レインボウの静かめの曲(弦楽四重奏をバックにした静かなものと、クラシカルな曲展開とオーケストラをバックにしたもの)をかけて追悼した。
偶然にもP-ファンクと同じサインである、彼が広めたメロイックサイン(人差指と小指を立てる)を掲げて彼の名唱をこれからも愛でていこう。
補遺
訃報に際しての拙文はこちら(まぁ前日付けで書いたものだが)
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
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