小学校時代にとても親しかった友人から連絡が有った。
僕は小学六年の十一月という何ともはやなタイミングで藤沢から横須賀に引っ越している。転校して半年と経たぬうちに卒業という慌ただしさ。
転校先であった横須賀市立津久井小学校の級友とは、修学旅行も夏休みも運動会も共有する事無く、卒業迄に「一緒にした」と言えるのは卒業記念アルバムの撮影と卒業制作ぐらい(笑)。
でも、六年はふたクラスだけだったので、その数ヶ月でクラスメイトの名前と隣のクラスの顔は憶えられたし、中学校(隣の小学校学区と合わさり五クラスになった)にあがるにあたり、既知(こちらとしてはね)の人物が多かったのは、結果として良かったと思う。
しかし、五年半、というより、「それ迄の全人生」であった約十二年を過ごした藤沢の仲間達と卒業出来なかった悔しさは、正直な所、有った。
小学校の母校は「藤沢市立俣野小学校」であるという想いは今も持っている。
とは言っても、まぁ子供の友情というのは残酷なもので、転校するなり「新天地」での楽しさを堪能しまくり、藤沢の友人達とは数名と二度程会っただけ。それもすぐに「年賀状だけの友」となり、数年でそれさえも途絶えた。
しかも、或る意味ではその引っ越しを切っ掛けに(自分の部屋が出来たので)、僕はラジオ、洋楽、ロックにのめり込んだ訳で、藤沢での日々は急速に過去のものとなった。
まぁ多くの人にとって中学高校というティーンエイジは急速な時期。僕はそれを横須賀で過ごし、その頃の蓄積で現在の「音楽紹介業」という看板を掲げている訳で。
高校三年の終わり頃に、藤沢時代に特に親しかった三人(いずれも同級生)が遊びに来てくれた事が有り、それぞれの進路を伝え合ったが、本当にそれっきりで、早や四半世紀(!)が経過している。
同窓会の案内は一度も来ない。
「卒業時のメンバー」に声を掛けているのかな、と思っていた。
八月一日に、本ブログのコメント欄に非公開として上記の高三時に会った一人から連絡が来た。
同窓会を開くので連絡先を教えてくれ、と。
おお。
こうしてブログをやっておくもんだね。
しかも「人見欣幸」なんて、きっと僕一人しか居ないだろうからね。
連絡先を記して E-メイルを送った。
で、昨日(火曜日)昼に電話が来た。
高三で一度だけ会っているとは言え、思い浮かぶのは小六の時の彼の姿と声。変声期前である。きっと向こうもそうだろう(笑)。
彼は現在、寒川町に住んでいるという。
1978年=昭和五十三年の十一月。
藤沢駅はまだ小さな駅舎で、北口の方が「表」、「南口はひらけ始めてはいるけれど新興」という感覚の時期である。まぁ僕が利用していたバスが北口ターミナル発着だったからかも知れないけれど。
彼は絵が上手く、漫画を書いていた(上記の数名はそういう仲間だった。僕は「一緒に遊びたいから一応少し書いた」という程度で下手っぴぃもいいとこだったけれど)。
「マカロニほうれん荘」が神だった(※)。松本零士が神だった。スーパー・カー・ブーム期だったから「サーキットの狼」も基礎知識として読んではいたけれど、僕は「赤いペガサス」の方が好きだった。
まぁそれはさて置き。
電話の相手である彼は特に松本零士が好きで、それ風の模倣が上手かった。高三の時にもその志を継続して漫画家のアシスタントとなる話をしていたと思う。
それから四半世紀。
今はオートバイやヘルメットに絵を描いて生計をたてているという。絵描きとして生活をしているというのだから何だかとても嬉しい。
所で「同窓会に呼ばれなかった」と思っていたのは誤解だった。
中学に入って一度だけ集まっただけで、以降は全くやっていないのだという。
そうだったのか。てっきり仲間外れにされているのだと思っていたよ(笑)。
彼との話の中で、僕はすかさず番組の宣伝をする。
「今夜、生放送なんだよ。」と。
「電波は届かないかも。でもインタネット放送もやってるよ。」
同窓会前に会おう、親戚が横須賀に居るので時折こちらへ来るというので、その時には是非会おうという話を最後にして電話を切った。
今朝、再び E-メイルが届いた。余りに嬉しかったので全文転載。
昨夜の放送、聴けたよ
この辺でもバッチリ入るよ
DJ 歴長いの?
あれじゃ板に付き過ぎてて最初から知ってないと気がつかないよ〜
声が電話の時と違ってめちゃくちゃカッコ良かった
皆にも教えておくよ
すまんが今度会った時に飲み物を奢る位しか出来ないぞ(笑)。
(※)
「ひっ」
「腰!」
(出典:マカロニ四巻)
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
コメント
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おー、俺よりも古い人見の友達なわけだな。
すごいね。
仲間はずれじゃなくて良かったね(笑)。
継続は力なり。だね。 Like
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Taro
ロックに毒される前、でもマカロニほうれん荘には毒されていた頃。藤沢の同級生と机の下んとこにマカロニの単行本の「うっ」「どーん!」の頁を開いたまま入れておいて授業中に笑い合ったもんです。
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