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262 ジェイムズ・クラムリー死去。 | GOOD TIMES | グッドタイムズ

262 ジェイムズ・クラムリー死去。

 家のジェイムズ(ジェームズ、ジェームス)・クラムリー (James Crumley) が亡くなった。
 九月十六日。腎臓と肺の疾患による合併症。享年六十八。
 こちらは毎日新聞のおくやみ欄。

 わゆるハードボイルド・ミステリーの作家であるが、

その文学性の高さから「アメリカの現代文学」「純文学」としての評価も高い。
 寡作であったというのも、その神秘性や高貴さを演出するのに、(別にそれを狙っていたのではないとは思うが、)結果的に役立ったと思う。
 とは言え、「ミステリーの中では」という評価にとどまっているのが現状だ(※)。実際の所、日本ではハヤカワ・ミステリ文庫からその著作の殆んどは発売、しかも訳者は小鷹信光や小泉喜美子等という「ハードボイルド王道」の顔触れ。
 そして結局、僕もハードボイルド好きだから知り、読んでいる訳で。
 勿論!知った切っ掛けは内藤 陳の「読まずに死ねるか!」。

 解き以外の「語り口」「視点」「批評眼」により、その文学性が高く評価されるという意味で、僕はアーネスト・ヘミングウェイ、レイモンド・チャンドラー、我が国の矢作俊彦といった面々と同列で彼に触れている。
 良い意味で常人の枠をはみ出た、頑固で繊細で酔いどれの、愛すべきテキサス親父なのだろうと想像している。

な著作(未だ僕は読破していないのだけれど)

1969
ONE TO COUNT CADENCE
 我ひとり永遠に行進す
1975
THE WRONG CASE
 酔いどれの誇り
1978
THE LAST GOOD KISS
 さらば甘き口づけ
1983
DANCING BEAR
 ダンシング・ベア
1987
PEGEON SHOOT
 (未訳)
1993
THE MIXICAN TREE DUCK
 友よ、戦いの果てに
1996
BORDERSNAKES
 明日なき二人
2001
THE FINAL COUNTRY
 ファイナル・カントリー
2005
THE RIGHT MADNESS
 正当なる狂気

他に短編、エッセイ集などが出ている。
1988
WHORES
 娼婦たち
1991
MUDDY FORK AND OTHER THINGS
 (未訳)
2000
THE PUTT AT THE END OF THE WORLD
 (未訳)

 南部人なので、読む時のBGMはZZトップ、レーナード・スキナード、ウィンター・ファミリー、ヴォーン兄弟あたりだな、僕の場合は。

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08. (音楽紹介業)

(※)
サンダーが「ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの中では」という評価に甘んじているのと同様に。
シーク(シック)が「ディスコ・バンドの中では」という評価しかされていないのと同様に。

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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