まぁ、その存在自体に疑問を持つクチではあるが、矢張り「逃した」となると残念。
シーク(シック)が今年も「ロックン・ロールの殿堂」入りを逃した。
こちらはバウンスのウェブサイト。
2003, 2006, 2007, 2008そして2009年。
この所、毎年の様に候補になるが、殿堂入りは果たせずにいる。笑い飯みたいだ(笑)(※)。
ロックン・ロール・ホール・オヴ・フェイム。
スポーツならいざ知らず、R&Rに「殿堂」は必要なのだろうか、という根本的な疑問は、設立された当時から持っている。
ガラス張りの博物館に入るものとしてR&Rを「保存」するのは、もうR&Rが過去の遺産になったと同義になってしまうとも思うからだ。ジョン・レノン・ミュージアムにも抵抗を感じる僕としては、どうも、いやはや、これが。
頭が固いのだろうか。
固いけど。
ピークをとうに過ぎて、懐メロ・ショウのひと組という扱いになっているミュージシャンにとっては、「もう一度表舞台に立つ」という再評価の良い機会である事は確かだし、「ヴェテランの良い老後」への追い風となっているのは勿論悪い事では無いけれど。
「現役」(判断基準が曖昧だけれど)を殿堂入りさせてしまうのは、どうなんだろう? 当事者は嬉しいのだろうか?(※※)
「デビューから二十五年経過している事」が条件の一つになっているので、今年はメタリカが殿堂入りを決めている。
リトル・アンソニー&ジ・インペリアルズと一緒に、である。
ジェフ・ベック、ボビー・ウォマック(ウーマック)もって、まだだったの?
ランDMC? 大好きだけど、もう殿堂入りしちゃうの?
・・・何だかそれはおかしいんじゃないか?と思うのは、きっと僕だけでは無いだろう。
これは顔触れ云々という問題等ではなく、システムの問題だ。
特に上記の「二十五年」。
これはミュージシャンがずっと第一線で数十年間活動を続ける事がまれだった時期に作られた基準である。現在は、三十年、四十年とスタジアム級の人気を保ったまま活動を続けている例がざらだ。数多くのバンドも解散する事無く長く活動している(※※※)。
発表するタイミングを逸しているのだろうが、別の、もうひと格高い基準を作るべきではないだろうか。
つまり、条件が
故人(又は引退)
解散から○○年以上経過したバンド
の中から選ぶ別の殿堂を。
発足時から、何だかこういう事態が生じる気がしていた。
「ストーンズは現役バリバリのまま殿堂入りしちゃううぜ」
「ポールも」
「多分、スティーヴィーもね」
「順番が無茶苦茶になりそう」
そんな殿堂、あまり興味無いなぁと思いつつも、結局、「おしゃれフリーク」「グッド・タイムズ」から三十年となる今、シークが殿堂入りを逃したのは、やっぱり悔しいんだよなぁ(笑)。そう思っちゃうのも悔しい。
まぁ、僕の中ではずっと「神棚」ですけどね。四半世紀以上前から、これからもずっと。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
(※)笑い飯、好きだなぁ。比較的早口じゃない所が、東の人間には辛くなくて有難い(笑)。
ナイル・ロジャーズ(ロジャース)は、確か1999年暮れの、2000年のカウントダウン・ライヴを含むシーク来日公演(大阪のみ)時に、こんな事を言っていた。
「TVでスタンダップ・コメディばっかりやってる。」
彼は来日中、出歩く事は殆んど無く、プライヴェイトの時間中は大体ホテルの部屋に居る(インタネットを使って仕事もしている様だ)のだが、矢張り気付く人は気付くのだな(笑)。
その時、僕は「これで通じるかな?」と思いつつ、こう言ってみた。
「Osaka is the Makkah of stand up commedy.」
「メーッカオーヴスタンダーップコーメディ!」と復唱して笑っていたので、きっと通じたのだろう(笑)。
「○○のメッカ」って元々は英語の言い回しなのかな?
(※※)グラミー賞でザ・ローリング・ストーンズがライフタイム・アチーヴメント(功労賞)を受賞したのが確か九十年頃(ビル・ワイマンがまだメンバーだった)。プレゼンターはエリック・クラプトン。ストーンズが指名したらしい。
クラプトン
「僕がこういう役が苦手なのを知っていて指名するんだから彼等は意地悪だ。」
ストーンズ
「功労賞っていうのは『もう終わった』奴等が貰うもんだろう? 嫌だよそんなの。」
そんな遣り取りを、その授賞式で行えるのはR&Rだよなぁ(笑)。
(※※※)バンドに関しては、きわめて大人なマニジメントに支えられて、主に商業的な理由で継続を優先、ソロ活動や休止期間を巧みに織り込み、「解散を回避する」「解散しない様に活動する」という側面もあると思う。
何だか良い様なつまらない様な。
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