-Repertory catalog of CHIC (since 1996)–
(not a set list)
-SPECIAL THANKS TO RICHARD HILTON FOR GIVING ME SOME ADVICE-
四月初旬に来日するシーク(シック)。
彼等がライヴで演奏している曲の一覧を以下に(セット・リストではありませんので誤解の無き様)。
シークは1992年の再結成アルバム『CHIC-ism シークイズム(シック=イズム)』や1996年の「JTスーパー・プロデューサーズ 96」に際してのグループ再編を継続させる形でライヴ活動を行っている。’96年に集められたメンバーの約半数が現在も行動を共にしている。
CHIC band members since 1996:
gu.: NILE RODGERS
vo.: SYLVER LOGAN SHARP (singer of “CHIC-ism” album)
key.: RICHARD HILTON (since “CHIC-ism” sessions)
per.: GERARDO VELEZ (since “CHIC-ism” sessions)
sax: BILL HOLLOMAN
dr.: OMAR HAKIM (今回の来日には初めて不参加 He’s not coming this time.)
今回はこの六名中の五名に、
Adding:
ba: JERRY BARNES (1997-)
tp: CURT RAMM (2003-)
key: CHERIE “SWEET CHERIE” MITCHELL (2003-)
And two musicians coming to Japan for the first time with CHIC:
dr.: RALPH ROLLE (2006?-)
vo.: FOLAMI THOMPSON (2008-)
が加わる形で来日公演が行われる。
’96年(初来日公演だった)以降の彼等がライヴで演奏している曲はいわゆる「グレイテスト・ヒッツ・ライヴ」というもので、基本的に大きな変化は無い。外せない十曲程度の重要曲に数曲を加える、その数曲を差し替えるという形だ。今回もこの形だと思われる(※)。
以下に、「セット・リスト予想」では無く、現在の彼等が今迄に演奏した事のある(=演れる)曲を列挙しておく。増えている可能性も有る(※2)。
一回七十〜八十分程度のショウ。さて、今回は何を演ってくれるのだろうか?
(オリジナル・ヴァージョン発表順)
(In order to releasing)
from “Chic” ’77:
DANCE, DANCE, DANCE (YOWSAH, YOWSAH, YOWSAH)
EVERYBODY DANCE
from “C’est Chic” ’78:
CHIC CHEER
LE FREAK
I WANT YOUR LOVE
AT LAST I AM FREE
from “We Are Family /Sister Sledge” ’79:
HE’S THE GREATEST DANCER
LOST IN MUSIC (They haven’t played in Japan.)
WE ARE FAMILY
THINKING OF YOU
from “Risque” ’79:
GOOD TIMES
(MY FEET KEEP DANCING)
MY FORBIDDEN LOVER
from “King of the World /Sheila & B. Devotion” ’80:
SPACER (They haven’t played in Japan. Especially for France.)
from “Diana /Diana Ross” ’80:
UPSIDE DOWN
I’M COMING OUT
from “Real Paople” ’80:
OPEN UP
from “Soup for One (original soundtrack)” ’82:
(SOUP FOR ONE)
(They played once as the short version in Belgium.)
from “Chic Freak and More Treats /Nile Rodgers” ’96:
DO THAT DANCE
JUST ONE WORLD
シェイラ&B. ディヴォーションの「スペイサー」は、シェイラの母国であるフランスでの知名度がとても高い一曲であるという事で、フランス公演時のみレパートリーに加えられているという。
過去の来日公演では演奏されてはおらず、アメリカでも演奏されていないそうなので、今回の来日でも演奏される可能性はゼロに近いだろうと考えられる。
仏蘭西(※3)のファンが羨ましい!
大阪でのミレニアム・カウントダウン・ショウを終えた2000年元日朝、荷造りを終えてホテルのロビーに降りて来ていたナイル・ロジャーズ(ロジャース)に、「日本の、ブルー・ノートに来るファンの多くはシークのマニアだから、レアな曲も知っています。だから(シングル・ヒット以外の)アルバム・トラックも聴きたいです。」とリクエストした事がある。
その時に僕等は ‘STAGE FLIGHT’ や ‘WHEN YOU LOVE SOMEONE’、’CHARGE PLATED AND CREDIT CARDS (Sheila & B. Devotion)’ 等を歌い、くち三味線で演奏した(僕はトニー・トンプスン[トンプソン]!)。硝子の向こうに昇った千年紀の初日(はつひ)はとても眩しかった。きっとナイルは憶えてないと思うけど(笑)。
2003年の来日公演中に ‘MY FORBIDDEN LOVER’ が加えられた。福岡、大阪、名古屋、横浜(そして湘南ビーチFMに出演!)を経て、東京初日のリハーサルで試され、その晩より演奏された。特にライヴ体験を期待していた一曲だったので感激もひとしお。同年夏の「マウント・フジ・ジャズ・フェスティヴァル」では、このイントロでシルヴァーが「This is for you, HITOMI」と言い、僕(だけ!)を愕然とさせた(笑)。欧州で去年CD発売され、そのシーンもしっかり収録されている!(※4)
2006年迄に ‘THINKING OF YOU’ が加えられた。日本初演は前回。ナイルとジェラードから始まるイントロの時点で早くも昇天、涙腺を直撃された(笑)。
前回からオープニング・ナンバー(インストゥルメンタル)として ‘OPEN UP’ が加えられた。こちらは彼等としても全くの初演(初日のリハーサルで初めて音合わせをしていた)。技術面からも息の合い方からも難易度の高い楽曲なので、バンドの実力や結束を考慮して「今のメンバーなら演れる!」という判断をナイルがしたのだと僕は想像し、メンバーへの信頼度の高さを想い喜んだ。
又、同じく前回の初日リハで ‘MY FEET KEEP DANCING’ が初めて音合わせされ、その晩の一回目では披露されたが、他の回では演奏されなかった。不満の残る出来だったのだろうか(僕は全くそんな風には思わなかったのだけれど)。
上記リストに括弧付きで表記をしてあるのはそんな理由からだ。
確か前回か前々回の来日時に、シルヴァーから「ロスト・イン・ミュージック」もレパートリーに加わっている事を教えて貰った。ワクワクしたが、残念乍ら来日公演で演奏された事は無い。
リチャードからの情報によると、ベルギー公演で一度だけ「スープ・フォー・ワン」を演奏したという(但しショート・ヴァージョンで)。
この曲も括弧付きで表記したのはそんな理由からだ。
シークの初来日公演は、上記の「JTスーパー・プロデューサーズ 96 ナイル・ロジャーズ」のハウス・バンドとして実現している。このコンサートに合わせて制作・発表されたナイル名義の三曲の新曲のうち二曲はライヴで演奏された(※5)。
「ドゥー・ザット・ダンス」は翌 ’97年のブルー・ノート初公演時にも演奏されている。
その時にハウス・バンドとして演奏した曲は以下の通り。
CHIC played these songs as a house band
in ‘JT Super Producers 96 Nile Rodgers’:
HE’S THE GREATEST DANCER featuring Sister Sledge
WE ARE FAMILY featuring Sister Sledge
LIKE A VIRGIN featuring Crowell Sisters
SISTER, SISTER featuring Crowell Sisters
LET’S DANCE featuring Simon Le Bon
THE WILD BOYS featuring Simon Le Bon
NOTORIOUS featuring Simon Le Bon
HIGHER LOVE featuring Steve Winwood
GIMME SOME LOVIN’ featuring Steve Winwood
DANCING IN THE STREET as all star session
今回は何か増えるのだろうか?
‘MY FEET KEEP DANCING’ は復活したのだろうか?
‘LOST IN MUSIC’ は?
‘SOUP FOR ONE’ をもう一度演奏する気にナイルはなるだろうか?
シルヴァー加入後の ‘CHIC MYSTIQUE’ や ‘YOUR LOVE’ は?
‘MUSIC IS MY HOUSE’ のギター・ソロはライヴで披露されないのだろうか?
そして ‘REAL PEOPLE’ ‘REBELS ARE WE’ ‘WHEN YOU LOVE SOMEONE’ はまだか?
絶対に過大な期待ですからね(笑)。
でも「同じ演奏曲でも問題無いけれど、何か一曲でも新しいものがあると」と思っているリピーターは僕だけではない筈。フランス用のサーヴィス曲「スペイサー」の様に、日本向けのサーヴィス曲を用意してくれると嬉しいのだけれど。
このリスト作成にあたり、情報提供及び英語表記の校正やアドヴァイスをくれたリチャード・ヒルトンに感謝します。彼は来日の度に、少〜しずつしか進歩しない僕のブロウクン・イングリッシュを諦めずに直してくれる先生です。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
(※)何年か前の来日中に、シルヴァーから「(こんなに毎回似た様なライヴを観ていて)飽きないの?」と訊かれた事がある。僕は「全然。だって ’78年から聴いていて飽きてないんだからね!」と答えた。
折角なので数えてみた。
多分、煩悩の数にあと一回、即ち百と七回、彼等のライヴを観ている事になる筈だ。
(※2)現実問題として、当時から在籍しているのはロジャーズのみ。三十年前の曲でも、他のメンバーからすれば「新曲」なので、イチから憶えないと演奏出来ない。
急に曲目を変更できないという弱味は、メンバー不動のバンドではない以上、どうしてもある。
(※3)どうでも良い話だが、僕は小学生の頃、「仏国」というのはインドの事なのだと思っていた。そして「フランスの仏」だと知ってから暫くの間は、「仏蘭西」というのはフランス、オランダ、スペインの事なのだと思っていた・・・。
(※4)今回の来日中にリチャード・ヒルトンから聞いた話では、何とDVDも出ているという。探さねば!
(※5)実は残る一曲「ミュージック・イズ・マイ・ハウス」がとてつもなく良い曲で、途中のギター・ソロ(16ビートのギター・カッティング・オンリー!!)には聴く度に心躍らされる。
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