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778 『ノトーリアス』拡大盤、九月に発売! | GOOD TIMES | グッドタイムズ

778 『ノトーリアス』拡大盤、九月に発売!

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Nile Rodgers ナイル・ロジャーズ(ロジャース)のプロデュース作品中で特に知られた一枚でもある
Duran Duran
 ジュラン・ジュラン(デュラン・デュラン)の1986年作
Notorious
 ノトーリアス
が拡大盤となって再発売される。

こちらはタワー・レコーズのウェブ・ショップにある詳細。

 この数年で、彼等のオリジナル・アルバムはボーナス・トラック、ボーナス・ディスクが追加されての新装再発売が進んでいる。追加されているのはシングル B面等の当時のオリジナル・アルバム未収録曲や同時期の未発表曲/ヴァージョン、それに大アイドルらしく、PV や TV 出演時の模様を収めた DVD も付く様になった。

これ迄に、ニック、サイモン、ジョン、アンディ、ロジャーという
デビュー時の五人での三枚、
A 1981 Duran Duran
B 1982 Rio
C 1983 Seven and the Ragged Tiger

そして分裂期の
a 1985 THE POWER STATION: The Power Station 33 1/3
b 1985 ARCADIA: So Red the Rose

が豪華盤となっている。

a が 2005年の三月(CD+DVD、日本盤は CDのみ 2008年)、
B が 2009年の九月(CD×2)、
A,C,b が 2010年の五月(CD×2+DVD[但しDVD 付きの日本盤発売は b のみ])
と、今迄は発売の順番が前後していたが、今回発表されたのは順当に、

ニック、サイモン、ジョンの三人組となっての
D 1986 Notorious
E 1988 Big Thing
の二枚。

 因みに C〜a 間にライヴ・アルバム『Arena』(1984) を、b〜D 間に、結果として五人での最後の録音となった(後の再集結期は除く)「007/美しき獲物たち」主題歌「A View to a Kill」(1985) を発表している。(※)

 D の録音前にロジャー・テイラーが、制作中にアンディ・テイラーが脱退し、三人組となった彼等は、サポートとしてドラマーにスティーヴ・フェローニ(フェローン)を、ギターリストにウォーレン・クックルーロとプロデューサーであるロジャーズを迎えてアルバムを完成させる。
 結果的に、当時、ピーター・バラカン&鈴木さえ子をして「勿体無いですよねぇ〜」と言わしめた(笑)フェローニと凄腕のギターリスト三人が参加した形となり、本作は完成した。

 脱皮作となったこのアルバムは大ヒット。
 実は僕は、抜けたアンディがその直前に出したファースト・ソロ作がとても好きで、その返す刀で「良い曲だけど、これ(先行シングル「ノトーリアス」)は地味じゃないか? 女性ファン、離れちゃうんじゃないか?」と予想していた。それは良い意味で外れ、アイドルとしての人気と「おお、やるじゃん!」というウルサがたの注目とをバランス良く得たという意味では一番のアルバムと言えるのではないだろうか(E になると少し人気に翳りが出始める)。
 
 フェローニ&クックルーロと共にトゥアーを行った後に制作された次作 E では、ドラマーがスターリング・キャンベールに交代している。キャンベール&クックルーロの二人は E 発表後のトゥアーを経て正式にメンバーとなる。
五人編成での『Liberty』、
キャンベルが脱退して四人となっての『Duran Duran (The Wedding Album)』
と彼等は枚数を重ねていく。

 さて。
 ロジャーズ贔屓である僕の注目は勿論 D である。
 同じ年に発表されている、ロジャーズ制作による Al Jarreau アル・ジャロウ『L Is for Lover』にも参加しているドラマー=フェローニとロジャーズの相性は素晴らしい。トニー・トンプスン(トンプソン)を別格とすれば、正直に言えばオマー・ハキームよりも合っているとさえ思っている。
 楽曲も「スルメ効果」で聴く度に好きになり、スティーヴ・ウィンウッド(音よりもむしろ PV がモロだったりする)、デイヴィッド(デビッド)・ボウイー、後期ロクシー(ロキシー)・ミュージック、プリンス等を上手く消化する優秀なプロジェクトとしての彼等に感心した。
 フェローニがインタヴューで、「トゥアーを通してジョン・テイラーに色々と教えた」と語った事が有るが、以前から「運悪くルックスが良いから音楽性が評価されない」と思っていた僕は、特に a 以降の彼の成長に目を見張った訳だ。

 まぁ、考えてみれば「プラネット・アース」からして既にベイスは♪ウンペペだった訳で。

 しかし売れっ子フェローニちゃんはその時だけの参加で離脱、エリック・クラプトンそしてトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズへ(他、勿論セッション参加多数)。
 ロジャーズともう少しファンク路線で一緒にやって貰いたかったなあ・・・。

 今回の豪華盤 D。発表されている曲目を見る限りでは、残念な事に未発表曲/ヴァージョンは収録されない模様だ。既発表のシングル・ヴァージョンの大部分を集める形での二枚組化(b もそうだった)。DVD には当時 VHS 発売されており DVD 化が待たれていたライヴ映像、PV 三曲分、そして、これは初商品化となるであろう TV 出演時の映像が収められる。DVD 付き盤は日本盤も出るだろうか。

 と締めようと思っていたら、ウィキペディアに拠るとディジタル配信のみで販売される EP とNY でのライヴ音源(CD)が有る。もしかしたら EP には未発表リミックス音源が含まれているかも知れない。

(※)
「Chic シーク(シック)関連」をフォロウしている本稿(本ブログ)としては、
Nile Rodgers(R)
Bernard Edwards(E)
Tony Thompson(T)
が彼等と関わった作品を年代順に整理しておくと、

 1984
R: 『C』収録曲「The Reflex」シングル化時のリミクサー
R:『アリーナ』収録のステューディオ(スタジオ)録音曲
  「The Wild Boys」プロデューサー
 1985
T&E: 『a』ドラマー、プロデューサー(所々ベイスも?!)
E: 「A View to a Kill」プロデューサー
 1986
R: 『b』収録曲「Flame」シングル化時のリミクサー、ギター
R: 『D』プロデューサー
 1993
R: 『Duran Duran (aka The Wedding Album)』
  シングルのみ収録曲(日本盤ではボーナス・トラック)のミクサー
 1995
T: 『Thank You』ドラマー(一曲)
 1996
E&T: THE POWER STATION『Living in Fear』
  プロデューサー&ベイシスト、ドラマー(エドワーズは完成直後に死去)
R&E が仕切った「JT Super Producers1996 Nile Rodgers」
  シングル「Do That Dance」及びコンサート(CD/DVD 化されている)に
   サイモン・ル・ボン参加
 2003
R: ニック・ローズ制作『THE DANDY WARHOLS /Welcome to the Monkeyhouse』
  ギターリスト
 2004
R: 『Astronaut』 プロデューサー

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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