本当にこのタイトルで出る!
聴いた。
うひょ〜!!
今回の執筆に当たり、リンクをしようとユニヴァーサル・オフィシャル・ウェブサイトの「村田和人」を訪れたのだけれど、何と今作に関する記事はまだ掲載されていない!(8/20 現在)
いや、嘆いているのではなくて(少し残念ではあるが)、そんな早い段階で音を聴けているという喜びを噛み締めている。
尚、村田和人公式ブログには詳細が掲載されている。
昨年、番組にゲスト出演をして頂いた際に、
2008年の『Now Recording』(※)
2009年の『ずーーっと、夏。』
との三部作という構想で次作をという話は、既にされていらした。
タイトルも、「ずっとずっと夏」「もっと夏」といったアイディアを冗談半分にされていたと記憶している。
本当にその勢いで一年と少しで新作が出来てしまうとは、本当にノっている証拠だろう。
「パイプのけむり」か、という(笑)。
或いは山下達郎をブライアン・ウィルスンと重ねれば、村田和人はマイク・ラヴである、と。
その声質の明るさ・湿度の低さ・アウトドアっぽさは僕には眩しい。本当に魅力的だ。
そして内容はというと、勿論の様に前作『ずーーっと、夏。』の路線を押し進めたもの。
作詞家陣・演奏者もほぼ同じ(演奏は山本圭右のギター以外は村田和人自身の演奏とコーラス、プログラミングのみ)。歌良し、曲良し、演奏良しである。
詞の内容で言えば、前作で特にグッと来た(という方も多いだろう)「ビートルズを聴いてはいけません」の続編と言える楽曲もある。登場人物である彼等は中学高校と進学、楽器を手にしている。連作の短編少年小説を読んでいる様な感じだ。
音楽学校の講師をしている彼だが、今作では一曲、その生徒の楽曲も取り上げている。楽曲を生徒から買い上げて自分名義で発表するという事も多いそうだが、村田さんはそういう事はしない。それが嬉しい(笑)。
最後の曲はセルフ・カヴァー。二名敦子への提供曲(作詩は吉田美奈子)だったもの。
こういう「同コンセプトで連続」という事をすると、ともすれば初作に負けがちだが、この二枚はその「残念な方の例」にはならなかったと思う。
それは、「これ(前作)がウケたからこの調子で二匹目のドジョウを」と周囲にけしかけられて、といった事情ではなく、前作の発売以前から構想されていた、内的な、彼自身の希望での連作構想だったからであろうし、それだけの勢いを持続出来たからであり、それを支えて後押しする加速装置としてのスタッフに恵まれているからだと思う。
僕は
TUG OF WAR
PIPES OF PEACE
/Paul McCartney
を連想している。
(※)
当初は自主制作盤として四月に発売、同年の八月にユニヴァーサルからの第一弾としてリマスター&ボーナス・トラック追加の『Now Recording+』として新装再発売された。
村田さんの十三年振りのオリジナル・アルバムであったこの自主制作盤発売には、実は僕の友人(先輩)が深く関わっており、その意味で個人的にも感慨深いものがあった。
そして『Now Recording+』以降の Nayutawave Records (ユニヴァーサル・レコーズ配給)も知己が運営する会社(上記の先輩の繋がりで知り合いとさせて頂いている)。昨年のゲスト出演も今回のサンプル盤での逸早い音源入手も先方の厚意である。有難や有難や。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
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