今もTVで「一生に一度の彗星を観よう!」と盛り上がっているけれど、いざそれを観るとなると「どこどこ? どの方角?」となる。
「方角?」って。ひと晩で東西の夜空は180°回っちゃうんだからさ(笑)。
大まかで良いからもともと星座を知っておくのが一番。
大体、彗星だ流星だ日食だ月食だ何だかんだというけれど、一番美しい夜空は晴天に恵まれた普段の空。
「昔は夜になったらこうして空を見上げるしかなかったんだよなぁ」と想いを馳せると想像力が広がる。そりゃぁ明るい星と星をつないで「あ、これは白鳥かも」「これはひしゃく」「怖いぜ、さそりめ」と話を作りたくもなります。天の川を挟んで明るい星が二つ在れば、叶わぬ恋の物語を作ったり話して聞かせたりしたくもなります。
いわゆる「天体ショウ」は、興味を持つ切っ掛けとしては良い。その先の日常、普通の夜空(実は普通ではない)にも恒常的に興味を持ってくれたら嬉しい。
これからは空気が澄んで良い季節。しかもそれを狙っているかの様に、いわゆる冬の星座はもとから明るい星(一等星二等星)が多い。
北の北斗七星(おおぐま座)・カシオペア座から北極星(こぐま座)という基本中の基本から始めて、其処から辿って秋・冬の明るい星ぼしを観よう!
オリオン M78星雲!
ペガスス(ペガサス)
ぎょしゃ
おうし プレアデス(すばる)、ヒアデス
ふたご
おおいぬ シリウス!
りゅうこつ カノープス!
といった辺りは明るくて見付け易い。「冬の大三角」の端正さを知ったり、いびつだが雄大な「冬のダイアモンド」をつなぐ喜びは、一度知るとたまらなくなる。
そして、その快感を知ると、はっきり言って「天体ショウ」は邪魔になる。月も出ていなかったり沈んでいたりしている方が良い。
「なんでもない」という贅沢、「普通」という贅沢を実感。
そう言えば前にこんな事も書いたっけ。進歩無し。
でも「前よりも見上げなくなった」と書いているな、当時の僕は。これを書いた六年近く前よりも、少し夜空を見上げる頻度が上がったかも知れない、最近。
真っ暗でなくても見付け易い冬の星座。少し暗い公園や終電車が出て消灯した駅前等、街灯のある地域でも、少し目を凝らせば(直ぐに慣れる)見えてくる。
是非。
これって音楽でも一緒で、オエイスィス(オアシス)からザ・ビートルズやザ・フーにのぼったり、最近のブラックものから JB や P-ファンクに行き着くというのとおそらく同じ。
僕の場合は北斗七星がシーク(シック)で、カシオペアが EW&F で、山下達郎が秋の四辺形で、オリオンが JB で、という感じかな。
さぁ、そろそろ来年の「天文手帳」が出るだろう。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’13. (音楽紹介業)
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