Mar. 1st, 2008.
人見欣幸の音楽三昧
新作を待ちつつ、ザ・ブラック・クロウズの傑作セカンド
“The Southern Harmony and Musical Companion (1992)”
を丸ごと。
side A:
01 STING ME
02 REMEDY
03 THORN IN MY PRIDE
04 BAD LUCK BLUE EYES GOODBYE
05 SOMETIMES SALVATION
side B:
06 HOTEL ILLNESS
07 BLACK MORNING CREEPING
08 NO SPEAK NO SLAVE
09 MY MORNING SONG
10 TIME WILL TELL
&
NO SPEAK NO SLAVE, live ’95.
ザ・ブラック・クロウズ。
彼等は僕とほぼ同世代という事もあり、一方的に共感を覚えている。
と言っても、彼等の音楽性に、僕(や彼等)が中高生だった頃に流行っていた音楽が強く反映している訳では無い。それよりも前の、六十年代や七十年代のロックやファンクの要素が強い。強いどころか「そのまま」と言っても良い。デビューの時点で、既に二十年ぐらい時代を間違えている新人という感じがあった。それを彼等は誇りに思っているかの様でもあった。
音も音楽性もパフォーマンスもルックスもファッションセンスも、だもの。
それらの音楽を実体験出来なかった悔しさが憧れになって「演奏に表われている」、そんな位置関係が、同様のスタンスのもと、それらを「聴く」僕の位置関係と重なっている気が、・・・勝手にしているのだな。
デビュー・アルバムは「うわ、もろにフェイセズだストーンズだ!」と笑い乍ら聴いていたのだけれど、このセカンドには本気でシビれた。笑えなくなった。本物だった。
A面の五曲は、ザ・ローリング・ストーンズの『スティッキー・フィンガーズ』( ’71)や(それを強く意識したであろう)ハンブル・パイの『スモーキン』( ’72)を踏襲した構成で迫る。単なる亜流に終わらない、「後継者」としての貫録を既に身につけている。
この時、クロウズはまだ二十代の半ばである。
このアルバムの発表直後に実現した初来日公演も忘れられないものとなった。本当に、本当に格好良かった。
客入れ中のBGMが『バンド・オヴ・ジプシーズ』そのままだったのはズルイと思ったけど(笑)。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08. (音楽紹介業)
コメント