Apr. 19th, 2008.
人見欣幸の音楽三昧
ALL!!!!!! /100s, ’07.
01 そうさ世界は
02 希望
03 まんまる
04 なぁ、未来。
05 Q&A
06 シンガロング
07 あの荒野に花束を
08 つたえるよ
09 蘇州夜曲
10 ももとせ
11 もしこのまま
plus
12 シンガロング (live ’06.)
&
from ‘OZ /100s,’ 2005.
OZ
A
B.O.K.
中村一義には、’96年のデビュー盤「金字塔」でブッ飛ばされた。
殆んど一人で作り上げられたその音は、勿論密室性の非常に高いものだったが、不思議と明るさと開放的な空気を多分に含んでもいた。そこが素晴らしかった。ポンキッキの「まる・さんかく・しかく」のカヴァーなんて、泣きそうになる程に良かった。
しかしそれは何枚も続けられる種類のものではない、特別な「一回こっきりのもの」だ。無垢、良い意味での無知、ラフな音創り、一人の暴走で仕上げられたトータリティ。カネのにおいを嗅ぎ取った奴等が周りに来たら汚されてしまうものだから、その前にしかつくれない特別なものだ。
それは聴いているこちらも解っていた(少なくとも僕は解ってたのさ[笑])。しかし、だからこそ、「かなわぬ夢」と知り乍らも「続き」を求めた。残酷にも。
以降の彼のアルバムは、密室性を薄める方向、即ち他の演奏者の介入を行い、変質していった。それでも彼らしさはしっかりと有り、僕は其処を応援していた。
●二枚目「太陽」
○三枚目「ERA (イーラ)」
●四枚目「100s」
100s (ひゃくしき) というバンドとしての
○五枚目「OZ」
二枚目から、おそらく彼は意識的に、実験作(●)とその発展・完成形(○)を二枚セットで世に問うている。
楽曲毎に適した他者を介入させて、何処迄「個」を追及出来るか、という「楽曲主体」の二・三枚目。
ライヴ活動を本格的に開始するのに伴い、他者を固定、彼等の個性を殺す事無く何処迄「パーツ」として使いこなせるか、という「音創り主体」の四・五枚目。
慎重に選ばれたであろう五名との結束を信じた彼は、だからこそ五枚目(以降)をバンド名義にしたのだと解釈している。
そして去年のアルバムが「ALL!!!!!!」。これ迄の法則性から外れ、○が続いた。それ程、きっと六人の結束は更に高まっているのだろう。「!」が六つなのはその表明なのだろう。
この番組では、細切れではあったけれど最初の三枚は新譜のうちに全曲オン・エアしている。
しかし以降の二枚は、他に色々と手を出し(笑)、紹介出来ないままに数年が経ってしまった。
前々作「100s」と前作「OZ」もそのうち(少し逃げ腰な約束を・・・)。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08. (音楽紹介業)
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