６８　井上堯之、昨年末に続き横須賀でライヴ！！

　ハイラム･ブロック追悼特集を一週お休み（延期）して、八月二十三日の番組は、来週、二十八日に横須賀で行われるライヴに関する内容で放送を行う事にしました。

　年の瀬のライヴから僅か八ヶ月、横須賀YTYに、
井上堯之が再びやって来る！
ヤァ！　ヤァ！　ヤァ！
なものですから。

　前回のライヴは大変素敵なものでした。
　全くのソロ。多くは弾き語りで静かに歌われました。
　「愚か者よ」（近藤真彦がカヴァーした時は「愚か者」）「一人」（※）といった往年の自作曲は勿論、新曲も披露されました。それから「見上げてごらん夜の星を」や「いつでも夢を」等も歌われました。

　個人的には、特にPYG時代の「花･太陽･雨」（※※）にシビれました。あと、同じくPYG時代の曲で、ジュリー、ショーケンが共にソロとしても歌っている名曲「自由に歩いて愛して」も感動的。
　穏やかなトーク。穏やかな歌声。柔和な表情。心温まる空間が其処に出現しました。

　半ばではエレキ･ギターを手に、全くの無伴奏で「傷だらけの天使」「太陽にほえろ！」「夕陽が泣いている」等の名フレイズを連発。ギター一本なのに、紛れも無く「本物だ！」と判るメロディ、奏法、音色なのには驚かされました。
　そして「オリジナルだよ〜」と誇らしげに口にしつつ「時の過ぎゆくままに」のイントロが奏でられ、観客が大合唱したのです。歌メロの間を埋める「あの」フレイズが再現され、感動しました。

　その晩、僕は柴山和彦さんと御一緒させて頂いていました。ジュリーのバックという意味では、柴山さんは井上さんの後任という事になります。当時、交代にあたって、引き継ぎ的な形で食事を御一緒した事もあったそうです。

　終演後、即売コーナーに顔を出されていた井上さんに挨拶をしようと、柴山さんはタイミングを見計らっていたのですが、それに気付いた井上さんが、何とわざわざこちらにいらしたのです。嗚呼、何て良いかた！

　「時の過ぎゆくままに」について、
「もう俺の方が弾いた回数は多いですよ。」
「でも俺がオリジナルだからね。今夜は柴山君が来るって聞いてたからさ、『オリジナルだよ〜』ってわざと言ってみたんだ。」
という微笑ましい遣り取りが有りました。

　実は僕は「もしかしたらサインを貰えるかも！」と、PYGのLPを持っていたのですが、柴山さんが僕を紹介して下さった御陰で、その野望も叶いました！
　「人見と申します」と、興奮気味に早口で一度名乗っただけだったのに、聞き返す事も無く、
to Hitomi
と書いて下さったのには驚きました。

　後で会場スタッフに聞いた話ですが、各スタッフの名前も一回で憶えて、すぐに名前で呼んで下さるという驚異的な記憶力の良さを持ち、細やかな気遣いをされる方なのだそうです。
　帰りに柴山さんから聞いた話では、井上さんは、何と「記憶のプロ」とも言える西川きよしからも、その記憶力の良さを褒められた事がおありだそうで、イヤハヤ全く脱帽、驚くばかりです。

　さあ！
　そんな素敵な空間が、来週再び横須賀に出現します。楽しみです。
　今回は何にサインしてもらおうか、･･･いやいや、そういう話では無く（笑）。

8/28(木)
於･横須賀ヤンガー･ザン･イエスタデイ(YTY)　（横須賀中央駅より徒歩五分程度）
井上堯之
旧友〜いのちの花を咲かせましょう〜in Yokosuka
18:30　会場
19:30　開演
前売　￥4,000-
当日　￥4,500-

　「時の過ぎゆくままに」の歌詞を（一番だけでも）覚えて会場に向かいましょうね（笑）。

　直前の番組となる、今週末＝8/23の放送では、澤田研二、PYG、井上堯之バンド、ザ･スパイダース等をフィーチュアする予定です。
　今から家の中の発掘作業にかかります！
　見つからなかったら御免なさい。特に「太陽にほえろ！」「傷だらけの天使」の発見には不安が･･･。

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08. (音楽紹介業)

（※）
『帰ってきたウルトラマン』の「許されざるいのち」で、挿入歌として効果的に使用されている事でも（ウルトラのファンの中では）有名（レオゴンが登場する話です）。

（※※）
デイヴ･平尾（ザ･ゴールデン･カップス）によるオリジナル･ヴァージョン ( ’72) が、『傷だらけの天使』最終話のクライマックスで、挿入歌として効果的に使用されているのは有名。後に柳ジョージとレイニー･ウッドがファースト･アルバム『Time in Changes』 ( ’77) で取り上げているので御馴染みという方もいらっしゃるだろう。アルバムには井上さんのコメントも寄せられ、タイトル曲「時は流れて」は作詞･柳、作曲･井上の楽曲である（元々はショーケンへの提供曲）。