CONCEPT of GOOD TIMES
まだインターネットなんてない時代。
僕らは、子供の頃から音楽が好きだった。
テレビやラジオから流れてきたミュージシャンに心ときめかせ、雑誌で曲名やアルバムを確認して、レコードを買いに行っていた。
それを毎日毎日、コンポの前に正座しながら、擦りきれんばかりに真剣に聞いていた。
そんなことをしていると、ある日、音楽に詳しい先輩や同級生から、
「お前、あのバンド好きなら、これ聞いてみなよ」とテープを渡されたり。
そうやって出会った音楽が、またすげえカッコよくて、出会ったミュージシャンのアルバムをレコード屋に見に行っていた。
大好きなミュージシャンが載らなくても、音楽雑誌は必ず買って、そこからいろんなことを学んでいった。
このアーティストは、ジミヘンにモロに影響受けたんだ!ジミヘン聞かなきゃ!って分かると、小遣い叩いて、ジミヘンを買いに行った。
ジミヘンみたいに、いきなり聴いても訳がわからん音楽でアルバム一枚終わった時、泣きそうになったことは数知れなかった。
でもいろいろ聴いていくうちに、ジミヘンの良さが分かるようになっていった。
自分のセンスが、音に追いついていくのだ。
だから、あれもこれもと買い漁る。
こんなことをしていると、どんどんマニアックなレコード屋の常連になっていく。
そのうち、鋲の革ジャン着た厳ついお兄さんが、「君、コレ聴いてみたら?」と知らないCDを紹介してくれるようになっていった。
これまた、すげえカッコよくて、音にハマっていく。
音楽をちゃんと深く聴くために、必要だったのは、雑誌やラジオやテレビやレコードやCDだけじゃなかった。
身の回りにいた先輩や友達やレコード屋のあんちゃんみたいな、音楽で人生狂っちゃったような人たちの偏屈な音楽の聴き方だった。
それに気付かされたから、僕も音楽に人生狂わされ、人生を学んでいったんだと思う。
インターネットなしでは生活できなくなった今。
サブスクリプションでなんでも聞ける。
発売日にCD買わなくても、アプリをタップするだけで聞けるようになった。
音楽雑誌を買わなくても、SNSを見ていれば、お目当てのミュージシャンの新作が出ることが分かるようになった。
音が簡単に手に入る代わりに、新しい音楽と出会わなくなった。
新しい音にめぐり合うのは、年に一度のフェスくらい。
でもフェスやチャートみたいな大人の理由で知れる音楽なんてたかが知れてる。
そうじゃない。
上っ面じゃないんだ。
いつだって、もっと心揺さぶられる音楽に出会いたいんだ。
今の時代に必要なのは、やっぱり昔のレコード屋のあんちゃんみたいな、偏った音楽の聴き方をして、心の中でひとりニヤニヤしてる変態野郎だ。
そもそも真の音楽好きなんて変態しかいない。
音楽でもなんでも極めて行くと、ひとクセふたクセある奴らが集まるわけで、
そんなクセ者らが面白おかしく音楽を語ってもいいじゃないか。
これをインターネットを通じてやったら、僕らの子供の頃みたいにマニアックな音楽が人を通じて伝播していくんじゃないか。
正しい音楽の伝え方は、時代が変わっても変わらないはずだ。
ということで、CHICが好きすぎて、なぜかナイル・ロジャースに可愛がられているだけでなく、錚々たるミュージシャンと交流のある、ラジオDJ音楽紹介業の人見欣幸氏と、ナイル・ロジャース公認のファンクラブを運営しているイラストレーター内海初寧氏と、下町風情たっぷりの文筆家KATO氏の三名のクセ強めの布陣で送る、音楽バラエティ、GOOD TIMES。
冗談抜きに、ナイル・ロジャースご本人からのお墨付きでスタートしました。
古き良き日に、音楽好きの誰もがやった、カセットテープを作って大好きな友人にあげるような、あんな懐かしいノリを存分にお楽しみください。
PROFILE
人見欣幸 (Yoshiyuki “Hit me!” Hitomi)
さまざまなメディアで音楽を紹介していく音楽紹介業。
1995年にナイル・ロジャーズにファンレターを渡し、交流が始まる。
1997年には、レギュラーラジオ番組開始。
2011年、Nile Rodgers/CHIC応援組織 “Good Times” を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 “Good Times TV” 開始(13年まで)
2019年、新メンバーを加え、六月より “Good Times Tube” としてウェブ番組を復活
■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長
内海初寧
音楽を絵にするイラストレーター。
ナイル・ロジャース公認のCHICのナイル・ロジャースファンクラブを運営。
人生は音楽一色!音楽は描くためのエネルギー!
音楽を感じてもらえる作品創りのために日々創作活動を続けている。
独自の作風で描いた様々なアーティストの肖像画などに定評がある。
illustrator and The Founder of Nile Rodgers Private Fan Club”Nile Rodgers Fan Club Japan”
KATO
日常の笑いを下町風情たっぷりに書き続ける元ミュージシャンの文筆家。
WEBの企画制作をはじめ、ありとあらゆるコンテンツ制作に従事。
その傍ら、WEBマーケティングやインターネットサービスを展開したり、システム開発したりと、なんやかんやITの仕事に日々勤しんでいる。
立ち飲みと音楽BARをこよなく愛し、次の吉田類の座を虎視眈々と狙っている。
■favorite musicians:Prince
飲み屋を放浪するメディア、Yacchaooze!編集長