252 言葉に五月蝿い男。

 月から、特に気になる言葉。

 為政者が、しかもスローガンとしてTV業界の用語を使っている、という不愉快。

 「目線」。

 「視線」、或いは「視点」なのではないだろうか。

 TV局が内規として発行しているアナウンス用語ガイド本の類いには「(『目線』は)映像界の専門用語なので放送で使うのは相応しくない」と書いてあるものも有る。

 「目線」は「カメラ目線」や、「目線は斜め上、あのビルの四階あたりで」といった使い方で、映画・TV業界で出演者に指示する時の用語。(※)
 公私混同の傾向を意図的に強めている(としか思えない)TVの、特に内輪受け度の高いヴァラエティ番組で、イキがって「ギョーカイ用語」を使いまくる下品な面々の影響で(※※)、我々は普通にそれらの言葉を使う様になってしまったのは事実だ。
 若者受けを狙っているのか何なのか知らないけれど、兎に角、年長者、しかも為政者が、公の場でそれらを使うというのは、何とも浅ましいし情け無い。

 「そんなの考え過ぎ。もう普通にみんな使ってる現代語でしょ」という考えがもう多数派なのだとすれば、尚更、言葉の乱れを嘆く側にずっと居座ってやる。
 言葉が変わりゆくのは当然だとしても、悪化していく流れにそのまま乗ったり加速させるつもりは毛頭無い。

 やくざ用語の「ヤバい(危い)」、ファックの複数形みたいな「ファクス」、人名・地名等の変な省略等、色いろ。
 僕はなるべく避けたい。

 あ、「ジョルチャー」って書いちゃってるか(笑)。

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08. (音楽紹介業)

(※)ウルトラシリーズの回想本や関係者インタヴューで、警備隊員が怪獣を見上げる目線を決めるのに、巨大過ぎて建物や木では足りない際に「じゃああの雲で」という指定が有ったが、時間が経ってしまい「監督、雲、無くなっちゃいましたよ」となってしまった、という笑い話が良く披露される。

(※※)「ひょうきん族」で表面化し、ダウンタウン以降のお笑い勢によって定着させられたと僕は思っている。別に関東人が「なんやそれ」って言わなくてもいいのに。
 あ、別に関西を嫌っている訳では有りませんからね。ますだおかだは素晴らしいと思うし、関東勢に苦手な人も居るし。

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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コメント

  1. Taro より:

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    いやー、実に人見らしい(笑)。
    そうか、目線はギョーカイ用語なのか。
    さすがです。
    言葉の捕らえ方は、人それぞれですかな。
    俺も、昨日、テレビで某女性候補者が「チョーうれしい!!」とか行っていたのには閉口しました。
    トシチャンかっ!!
    それから、若い娘が、ダウンロードすることを「とる」っていうだよね。
    「この着信音とったの~」って、、、
    あったまわりー(笑) Like

  2. hitmejapan より:

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    Taro
     かんげきー
    人見 Like

  3. hitmejapan より:

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    Taro
     同意して貰えて何よりです。
     言ってたねえ、昨日。僕も見ちゃった。がっかり。海より深く反省して貰いたいね(笑)。
     Taro
     同意して貰えて何よりです。
     言ってたねえ、昨日。僕も見ちゃった。がっかり。海より深く反省して貰いたいね(笑)。
     気になる言葉は星の数ほどあるよね、きっとそれぞれに。平坦なイントネイションでの「良い感じ」とかさ。
     僕の言い回し(含表記法)も、嫌なかたは本当に嫌だろうし。
     はたして僕は自分の首を絞めてしまったのか? それは、番組で今後も危険な橋を渡り続ける事で実証されるのだろうか?! ・・・なんて大袈裟な。
    人見 Like

  4. GAKU より:

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    目線と視線の件、永六輔さんが10月4日のTBSラジオの御自分の番組で、
    全く同じ事を話し、憤っておられました。
    人見君、かの永さんと着目している点が同じですよ!
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  5. GAKU より:

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    細かいことだけど、僕は「それではVTRを御覧ください」
    「今のVTRにもありましたけど」とかの「VTR」がダメです。
    だってVTRってVideo Tape Recorderでしょ。機材の方じゃん。
    「今のVにもありましたけど」という言い方の方が、
    ちょっとギョーカイ人っぽくてイヤミな感じもするけど、
    そっちが正しいんですよね。

    かくいう自分も「ファクス」は日常なんの疑いもなしに使ってしまいます。
    人見君にも「じゃあファクスで送って」なんてず~~~~~っと言い続けてきたけど、
    その度に「ファクスじゃねえだろ、ファクスじゃ!」と苦々しく思っていたかな…

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  6. hit2japan より:

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    GAKUちゃん
     永 六輔とって、ま、僕は受け売りですから。
     「VTRを」は変だよね(笑)。「こちらを御覧下さい」「編集しましたものを御覧下さい」っていうのも確かに硬いけど。
     「Vを」って、確かにもう普通になっちゃったよね。「ひょうきん族」やとんねるずあたりからかなあ、このギョーカイ用語を平気で使っちゃう傾向って。苦手。
     でも、別に「僕は言わない様に心掛けよう」という風に思うだけで、他人の喋りを糾す程、「上から」じゃないのよ(笑)。それぞれの美意識で、気にせずどうぞ。
    人見 Like

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