623 トム "T-ボーン" ウォルク、死去。

うっそ。

ダリル・ホール&ジョン・オーツ (Daryl Hall John Oates, H&O) のべイシストとして知られる
Tom “T-Bone” Wolk トム “T-ボーン” ウォルク(ウォーク)が亡くなった。
二月二十七日。享年五十八。心臓発作。

こちらはCDジャーナル誌のウェブサイト。

 ホール&オーツとは現在に至る迄、三十年近くほぼずっと行動を共にしていた。
 いわゆる「ホール&オーツ・バンド」として固定メンバーとなっていた他のメンバー、G.E. スミスやミッキー・カリーが離れた後も彼だけは残り、べイシスト或いはギターリスト、音楽監督として、そしてステューディオ(スタジオ)録音ではプロデューサーとして、個々のソロも含めて関わっている。

 最近話題となっているインタネットTV番組「Live from Daryl’s House (LFDH)」でも、彼はダリルの隣でライヴを仕切っており、ゲストとのトークもダリルと共に行っている。

 未見だが「ダリルの家」に招くのではなく、外でライヴを行ったり、ロンドンにニック・ロウを訪ねたりしている回は、ダリルとT-ボーンが二人で出向いている様だ。
 「二人でやっている番組」と言ってもいいだろう。

 因みにサックスのチャーリー・デシャン(デシャント)も現在はH&Oのトゥアーに参加しており(来日にも同行)、上記「LFDH」のハウス・バンドのメンバーでもある。

 こちらは吉岡正晴氏のブログより(スモーキー・ロビンスン[ロビンソン]登場回)、こちらは長年の友人 Taro のブログ(ダイアン・バーチちゃん登場回)。

 八十年代の前半に十代、特に中高生で洋楽ファンだった方には、H&Oは別格だった。チャート・フリークも、ロック・ファンも、ポップス・ファンも、ソウル・ファンも、洋楽アイドル好きのミーハー女子も、シングル、アルバム、彼等の動向は知っていたと思う。彼等が嫌いな人というのは少数派だったと思う。それどころか、洋楽ファンでなくても彼等を知っていた。
 つまり、音楽的に一目置かれていたし、知名度上も別格だった。
 ワム!がデビューした時には「ホール&オーツの座を狙うポップ・デュオ!」と騒がれたものだ。

 具体的な「画(え)」として、特に「プライヴェイト・アイズ」のプロモウション・ヴィディオでのT-ボーン・ウォルク、私立探偵然とした衣装がメンバーの中で最もハマッていた、トボけた表情でベイスを弾いていた、顎の無い男を思い出す方は多いだろう。

 今夜の番組は、別の内容でリスト・アップをしてあったのだが、数曲分は彼への追悼に割こう。少し気持ちの整理がついたら改めて追悼しよう。金曜日の「イシイ ポップス・イン・ザ・ボックス」でも半ばの四曲コーナーでかけよう。
 
 
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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コメント

  1. tomi より:

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    僕は中学時代、『マンイーター』でブルー・アイド・ソウルという言葉を知りました。
    アルバムではゲストも豪華な『ライブ・アット・ジ・アポロ』が大好きです。
    T‐ボーン個人に着目したことはなかったし、派手さもなかったけど、
    今にして思えば、やはりこの人のベースが『H2O』以降の黒っぽさの源だったのかも知れませんね。
    謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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  2. あらけん より:

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    自分もホールアンドオーツをバンドとしてとらえてなかったので、ベーシストには注目していませんでした。楽曲としては初期の「サラスマイル」とか「リッチガール」とかが好きです。 Like

  3. nagi より:

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    おはようございます。
    相変わらず名前を覚えないので最初はピンとこなかったのですが、あぁ~あのベーシスト(T_T)
    80年代当時プロモでよく映っていたので、ホール&オーツはバンドとセットという認識でした。
    特にベースとサックスの人は印象に残っていて、『プライベート・アイズ』は好んで観ていました。
    また来日することがあっても、もうメンバーが揃わないのかと思うと、哀しく残念でなりません。
    ご冥福をお祈り致します。 Like

  4. hit2japan より:

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    Tomi さん
     アポロのライヴは燃えました。
     ポール・ヤングが当時大ヒットさせていた「エヴリタイム・ユー・ゴー・アウェイ」を「なんだか今、イングリッシュ・アーティストがカヴァーしていますが、こっちがオリジナルですから!!」という力技で演奏していたのが微笑ましかった。
     元テンプス二名との共演がウリだったアポロでのライヴ、あれがH&Oの、当時の「H&Oバンド」の到達点だったのでしょうね。ライヴ・エイドでは、ラフィン&ケンドリックを迎えて同じネタ「アポロ・メドリー」を演った後で、そのままミック・ジャガーのバック・バンドも務めて(ティナ・ターナー強烈!)、数年ブランクをあけてからはT-ボーン(ここで共同プロデューサーに昇格)以外のメンバーを変えましたからね。その時(『オー・イェー!』発売時)の来日公演は観ました。素晴らしかった。
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  5. hit2japan より:

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    あらけんさん
     どんなミュージシャンも「上り詰める」直前の若い感じとか上り調子の時の勢いは特別ですよね。H&O の場合は「サラ・スマイル」「リッチ・ガール」から「ウェイト・フォー・ミー」辺り迄でしょうか。
     デュオ結成前にはステューディオ(スタジオ)・ミュージシャン経験もする等、とても真面目な研究家である彼等は、様々なプロデューサーと組んでそれぞれのノウハウを得、『プライヴェイト・アイズ』からセルフ・プロデュースをする様になって行くのですね。アリフ・マーディーン、トッド・ラングレン、デイヴィッド・フォスター達の良いとこ取りをした上での、あの良い曲・良い演奏・良い声(そうです声です!!)、良いルックスですから、完璧です。
     日本の洋楽女子史的には(何だそれは?)、チープ・トリックからジャパンに行かなかったクチが「ダリル〜ッ」と絶叫していたのかな、と。
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  6. hit2japan より:

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    nagi さん
     矢鱈と大きな楽器を演奏するPVも面白かったですよね。「メソッド・オヴ・モダーン・ラヴ」だったかなぁ?
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  7. nagi より:

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    あはっ、鋭いですね、人見さん。
    「ダリル〜ッ」と絶叫はしていませんでしたが、チープ・トリックからジャパンに行かなかったクチです(苦笑)。 Like

  8. hit2japan より:

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    nagi さん
    で、ジュラン・ジュラン(デュラン・デュラン)へ、と。
    王道ですね!
    ルックスだとトム〜ダリル〜ジョンという「縦割れアゴ」の系譜で、
    ギター好きな nagi さんですから
    音はリック(??)〜ジョン〜アンディなのですか?
    その後、チャリ坊とか?!
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