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(加筆:全六回の公演は終了しました。)
昨晩から日曜日夜迄の五日間(土曜日は二回公演なので全六回)、
「HARLEM NIGHTS 9」が行われている。
於:ランドマークホール(横浜みなとみらい地区、ランドマークプラザ内)
因みに、「ハーレム・ナイツ」リピーターでもあられる吉岡正晴氏による二日目のライヴ・リポート、同じくその二の方がずっと具体的で詳しい。
二日目、曲が増えている!
この四月〜五月に Nile Rodgers and the CHIC Organization ナイル・ロジャーズ(ロジャース)&ザ・シーク(シック)・オーガナイゼイションの一員として来日していた Kimberly Davis キンバリー(キム)・デイヴィスが早くも再来日、素晴らしい歌声を披露している。
NYの雰囲気を音楽と食事でというこのシリーズも九回目。先ず、この御時世に「継続」させている事に敬意を表したい。単純に嬉しい。(※)
初日のショウは、間に入る二十分間の休憩を含めて二時間四十分程のものだった。
尚、キムによると、詳しい事は聞かなかったが、今日(二日目)もリハーサルをするそうなので、内容及び時間は今夜から若干変わるかも知れない。
ハウス・バンドはピアノ・トリオとサックスの四人。彼等はずっと、いわゆる板付きでショウの間中舞台に立ち続けている。
一曲、インストゥルメンタル・ナンバー、定番の「スペイン」を演奏し、早くも我等が(笑)キム姉さんの登場。第一部の大半は彼女のショウと言って構わないだろう。
Kimberly Davis sings:
I Will Always Love You
(Dolly Parton,Linda Ronstadt,Whitney Houston)
Street Life (Crusaders [Randy Crawford])
Tell Me Something Good (Rufus [Chaka Khan])
Rock Steady (Aretha Franklin)
Fever (Little Willie John,Peggy Lee,Madonna etc.)
If I Ain’t Got You (Alicia Keys)
No One (Alicia Keys)
シークの様な「決めごとの多い歌・アンサンブルの中での役割」ではないパフォーマンスなので、彼女の「歌」を充分堪能出来る時間だった。彼女の以前からのレパートリーという事なので「憶えているか」「間違えないか」というレヴェルでの不安が彼女には無いと思われる。自身に満ち溢れたパフォーマンスだった。
気付かされたのは、アリーシャ・キーズはもうこれらの、いってみれば「クラシック・ソウル」のラインナップに含まれているのだな、という事。特に、おそらく多くの年配ソウル・ファン同様、「If I Ain’t Got You」(※2)に耳を奪われた僕としては嬉しい発見だった。
しかも、驚くべき事に客席は満員・立ち見も出ている。水曜日なのに?と驚いた。
ハッキリ言えば、彼女も含めて、名前でど〜んと集客出来る知名度を持つ顔触れではない。それでもこの集客数という事はつまり「ハーレム・ナイツだから」という九年間の信頼が大きいのだろう。失礼乍ら今回初めて足を運んだが、きっとこのコンサート・シリーズを愛するリピーターが多いのだろう。居心地は確かに良かった。
さて、彼女の出番が終わり(フィナーレで全員が再登場するが)、次は C.P. Lacey C.P. レイシーの物真似パフォーマンスとなる。これはかなり面白く、びっくりするものの連続。
「誰の?何を?」はまだ伏せておいた方が良いだろう。
しかも何人もやってくれる。しかもしかも同一人物が扮しているのにも驚く!
続いて登場はいわゆる「ヴォイス・パカッション」。彼=Kenny Muhammad ケニー・ムハマード(モハメッド)は「ヒューマン・オーケストラ」と自称している。ジェイムズ・ブラウンのサンプリング(にそっくりの一瞬のシャウト)が挟まれたリズム・パターンが一人の口と喉(!)から出ているのにはかなり驚愕したが、酔っ払いの年配層(七十年代リアルタイムのソウル・ファンが中心だろうか)には、彼の登場時間は少し長かったかな? 楽しんだけれど。
そして男性シンガー Mike Davis マイク・デイヴィスが締める。以下の曲を矢継ぎ早に、わくわくするタイミングでメドリーにして披露。拍手喝采であった。
Mike Davis sings:
Oh Happy Day (The Edwin Harkins Singers)
My Girl (The Temptations)
I Just Call to Say I Love You (Stevie Wonder)
(Sittin’ on) The Dock of the Bay (Otis Redding)
What You Won’t Do for Love (Bobby Caldwell)
○This Masquerade (Leon Russell, Carpenters, George Benson etc.)
You Are the Sunshine of My Life (S. Wonder)
●My Cherie Amor (S. Wonder)
I Wish (S. Wonder)
Superstition (S. Wonder)
What’s Goin’ On (Marvin Gaye)
Mercy, Mercy, Me (The Ecology) (M. Gaye)
What’s Goin’ On (reprise) (M. Gaye)
○Where Is the Love
(duet with Kimberly Davis!!) (Roberta Flack and Donny Hathaway)
○Lovely Day (Bill Withers)
(○:二日目以降追加、●:おそらく初日のみ)
新鮮だったのは、ボビー・コールドウェルの「風のシルエット」が、このメドリー内に違和感無く納まっていた事。ソウル界でもスティーヴィー・ワンダー・フォロワーの白人ソウル・ナンバーとして彼は、この曲は認識されているのだなぁと確認出来た。日本では分けて考えられがちで、理屈っぽい僕等(笑)ぐらいがそう位置付けている位だけれど、本国では感覚レヴェルできっと「仲間扱い」なのだな、と。嬉しかった。
そして登場者全員が再び舞台へ、アンコール。
encore by all star cast:
Ain’t No Stoppin’ Us Now (McFadden & Whitehead)
この選曲も嬉しかった。
終演後、メンバー全員がロビーに出る。CD/DVD 即売も行う。写真撮影やサインにも応じる。
キムは昨年出したソロ・デビュー・シングル「Get Up」を千円で売っている。一昨日の僕の番組で十三曲目(21:39-)にかけた曲だ。
兎に角、楽しいコンサートだった。少々量は少なめではあるが(ならばふた皿頼むぞ!と!)ソウル・フードも美味しく、ミュージシャンは勿論、日本側の制作スタッフ、会場スタッフの努力・熱意も伝わる(会場主催なのでスタッフの一体感が違うのだと思う)。
musicians (in order to appearance):
KIMBERLY DAVIS (vocalist)
C.P. LACEY (dancer, singer with costume play of …who?)
KENNY MUHAMMAD (human orchestra)
MIKE DAVIS (vocalist)
(house band:)
VINCE JACKSON (keyboards)
BYRON JACKSON (bass)
DEAN JAMES (drums)
EZRA BROWN (sax)
(※)(7/29 加筆)
最初、九回目なので調べもせず「九年間」と書いたのだが、掲載直後、吉岡正晴氏より
第一回:1994年
第二回:2003年
以降、毎年の開催
であるという連絡を頂いた。恐縮至極。
今年、氏は今夜(二日目)のショウを御覧になられるとの事。
(※2)最初に耳にした時は、ロバータ・フラック〜アニータ・ベイカーと続く(かなり端折ったが[笑])流れを感じたもんなあ。有線で聞いて、思わず曲名問い合わせをしちゃったもんなあ。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
コメント
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CHICの来日記事などいつも参考にさせてもらっていますが、コメントは初めてです。
今回のHarlem Nights、CHICのLIVEで度肝を抜かれた Kimberly出演という事で行きたかったのですが、どうしても都合がつかず残念です。
Harlem Nights以外に KimberlyがどっかでGigしたりしないでしょうか?情報がありましたら教えてください。
よろしくお願いします。 Like
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chanpara さん
初めまして。以前からという訪問そして意を決して(笑)のコメント、有難う御座居ます。
特に来日に関しては、なるべく各メンバーのものも含めて色々と調べて報告します。
先ずはナイルの、シークの再来日に期待!ですが。
こちらこそ今後も宜しく御願い致します。何か御存知の事、掴んだ新情報、拙文の事実誤認等、有りましたら御指摘下さいね。
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