786 「HARLEM NIGHTS 9」、始まり始まり〜!

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(加筆:全六回の公演は終了しました。)

昨晩から日曜日夜迄の五日間(土曜日は二回公演なので全六回)、
「HARLEM NIGHTS 9」が行われている。

於:ランドマークホール(横浜みなとみらい地区、ランドマークプラザ内)

因みに、「ハーレム・ナイツ」リピーターでもあられる吉岡正晴氏による二日目のライヴ・リポート、同じくその二の方がずっと具体的で詳しい。
二日目、曲が増えている!

 この四月〜五月に Nile Rodgers and the CHIC Organization ナイル・ロジャーズ(ロジャース)&ザ・シーク(シック)・オーガナイゼイションの一員として来日していた Kimberly Davis キンバリー(キム)・デイヴィスが早くも再来日、素晴らしい歌声を披露している。

 NYの雰囲気を音楽と食事でというこのシリーズも九回目。先ず、この御時世に「継続」させている事に敬意を表したい。単純に嬉しい。(※)

 初日のショウは、間に入る二十分間の休憩を含めて二時間四十分程のものだった。
 尚、キムによると、詳しい事は聞かなかったが、今日(二日目)もリハーサルをするそうなので、内容及び時間は今夜から若干変わるかも知れない。

 ハウス・バンドはピアノ・トリオとサックスの四人。彼等はずっと、いわゆる板付きでショウの間中舞台に立ち続けている。
 一曲、インストゥルメンタル・ナンバー、定番の「スペイン」を演奏し、早くも我等が(笑)キム姉さんの登場。第一部の大半は彼女のショウと言って構わないだろう。

 Kimberly Davis sings:
I Will Always Love You
 (Dolly Parton,Linda Ronstadt,Whitney Houston)
Street Life (Crusaders [Randy Crawford])
Tell Me Something Good (Rufus [Chaka Khan])
Rock Steady (Aretha Franklin)
Fever (Little Willie John,Peggy Lee,Madonna etc.)
If I Ain’t Got You (Alicia Keys)
No One (Alicia Keys)

 シークの様な「決めごとの多い歌・アンサンブルの中での役割」ではないパフォーマンスなので、彼女の「歌」を充分堪能出来る時間だった。彼女の以前からのレパートリーという事なので「憶えているか」「間違えないか」というレヴェルでの不安が彼女には無いと思われる。自身に満ち溢れたパフォーマンスだった。

 気付かされたのは、アリーシャ・キーズはもうこれらの、いってみれば「クラシック・ソウル」のラインナップに含まれているのだな、という事。特に、おそらく多くの年配ソウル・ファン同様、「If I Ain’t Got You」(※2)に耳を奪われた僕としては嬉しい発見だった。

 しかも、驚くべき事に客席は満員・立ち見も出ている。水曜日なのに?と驚いた。

 ハッキリ言えば、彼女も含めて、名前でど〜んと集客出来る知名度を持つ顔触れではない。それでもこの集客数という事はつまり「ハーレム・ナイツだから」という九年間の信頼が大きいのだろう。失礼乍ら今回初めて足を運んだが、きっとこのコンサート・シリーズを愛するリピーターが多いのだろう。居心地は確かに良かった。

 さて、彼女の出番が終わり(フィナーレで全員が再登場するが)、次は C.P. Lacey C.P. レイシーの物真似パフォーマンスとなる。これはかなり面白く、びっくりするものの連続。

 「誰の?何を?」はまだ伏せておいた方が良いだろう。
 しかも何人もやってくれる。しかもしかも同一人物が扮しているのにも驚く!

 続いて登場はいわゆる「ヴォイス・パカッション」。彼=Kenny Muhammad ケニー・ムハマード(モハメッド)は「ヒューマン・オーケストラ」と自称している。ジェイムズ・ブラウンのサンプリング(にそっくりの一瞬のシャウト)が挟まれたリズム・パターンが一人の口と喉(!)から出ているのにはかなり驚愕したが、酔っ払いの年配層(七十年代リアルタイムのソウル・ファンが中心だろうか)には、彼の登場時間は少し長かったかな? 楽しんだけれど。

 そして男性シンガー Mike Davis マイク・デイヴィスが締める。以下の曲を矢継ぎ早に、わくわくするタイミングでメドリーにして披露。拍手喝采であった。

 Mike Davis sings:
Oh Happy Day (The Edwin Harkins Singers)
My Girl (The Temptations)
I Just Call to Say I Love You (Stevie Wonder)
(Sittin’ on) The Dock of the Bay (Otis Redding)
What You Won’t Do for Love (Bobby Caldwell)
This Masquerade (Leon Russell, Carpenters, George Benson etc.)
You Are the Sunshine of My Life (S. Wonder)
My Cherie Amor (S. Wonder)
I Wish (S. Wonder)
Superstition (S. Wonder)
What’s Goin’ On (Marvin Gaye)
Mercy, Mercy, Me (The Ecology) (M. Gaye)
What’s Goin’ On (reprise) (M. Gaye)
Where Is the Love
  (duet with Kimberly Davis!!)
(Roberta Flack and Donny Hathaway)
Lovely Day (Bill Withers)

(○:二日目以降追加、●:おそらく初日のみ)

 新鮮だったのは、ボビー・コールドウェルの「風のシルエット」が、このメドリー内に違和感無く納まっていた事。ソウル界でもスティーヴィー・ワンダー・フォロワーの白人ソウル・ナンバーとして彼は、この曲は認識されているのだなぁと確認出来た。日本では分けて考えられがちで、理屈っぽい僕等(笑)ぐらいがそう位置付けている位だけれど、本国では感覚レヴェルできっと「仲間扱い」なのだな、と。嬉しかった。

 そして登場者全員が再び舞台へ、アンコール。

 encore by all star cast:
Ain’t No Stoppin’ Us Now (McFadden & Whitehead)

 この選曲も嬉しかった。

 終演後、メンバー全員がロビーに出る。CD/DVD 即売も行う。写真撮影やサインにも応じる。
 キムは昨年出したソロ・デビュー・シングル「Get Up」を千円で売っている。一昨日の僕の番組で十三曲目(21:39-)にかけた曲だ。

 兎に角、楽しいコンサートだった。少々量は少なめではあるが(ならばふた皿頼むぞ!と!)ソウル・フードも美味しく、ミュージシャンは勿論、日本側の制作スタッフ、会場スタッフの努力・熱意も伝わる(会場主催なのでスタッフの一体感が違うのだと思う)。

 musicians (in order to appearance):

KIMBERLY DAVIS (vocalist)
C.P. LACEY (dancer, singer with costume play of …who?)
KENNY MUHAMMAD (human orchestra)
MIKE DAVIS (vocalist)

 (house band:)

VINCE JACKSON (keyboards)
BYRON JACKSON (bass)
DEAN JAMES (drums)
EZRA BROWN (sax)

(※)(7/29 加筆)
最初、九回目なので調べもせず「九年間」と書いたのだが、掲載直後、吉岡正晴氏より
第一回:1994年
第二回:2003年
以降、毎年の開催
であるという連絡を頂いた。恐縮至極。
今年、氏は今夜(二日目)のショウを御覧になられるとの事。

(※2)最初に耳にした時は、ロバータ・フラック〜アニータ・ベイカーと続く(かなり端折ったが[笑])流れを感じたもんなあ。有線で聞いて、思わず曲名問い合わせをしちゃったもんなあ。

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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コメント

  1. chanpara より:

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    CHICの来日記事などいつも参考にさせてもらっていますが、コメントは初めてです。

    今回のHarlem Nights、CHICのLIVEで度肝を抜かれた Kimberly出演という事で行きたかったのですが、どうしても都合がつかず残念です。

    Harlem Nights以外に KimberlyがどっかでGigしたりしないでしょうか?情報がありましたら教えてください。

    よろしくお願いします。 Like

  2. hit2japan より:

    SECRET: 0
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    chanpara さん
     初めまして。以前からという訪問そして意を決して(笑)のコメント、有難う御座居ます。
     特に来日に関しては、なるべく各メンバーのものも含めて色々と調べて報告します。
     先ずはナイルの、シークの再来日に期待!ですが。
     こちらこそ今後も宜しく御願い致します。何か御存知の事、掴んだ新情報、拙文の事実誤認等、有りましたら御指摘下さいね。
    人見 Like

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