「タウンニュース横須賀版」連載
Hit Me’s YOKOSUKAN Pop/Rock File
〜横須賀ゆかりの音楽や音楽家について、つらつらと〜
再録
(2007.1.19. 号初出分)
第二回
「ヨコスカ・バーニング・ナイト」
上々颱風(シャンシャンタイフーン) (1991年)
本文:
「平成狸合戦ぽんぽこ」や「阿国」の音楽で広く知られる上々颱風(以下「上々」)のヴォーカリスト、西川郷子(さとこ)は横須賀出身だ。そして彼等には、リーダーである紅龍自ら「横須賀三部作」と呼ぶ(「上々颱風 3」参照)、横須賀を舞台としたものが三曲有る。先ずは発売順にセカンド・アルバムよりこの曲を。
歌詞にスカジャン、ドブ板、水兵さん、猿島(恋の島なのだそうな)そしてハッカ煙草といった単語が登場する。ヨコハマ同様、カタカナの「ヨコスカ」には、現在の横須賀が失ってしまった異国情緒が残されている様だ。発音は「yokoSUka」だろうか(今は多分「SU」の「U」を抜いた「yoKOska」派が増えている)。曲は緩いレゲエ・ビートにアジア風メロディー。時代も国籍も不明の、上々ならではの不思議な世界だ。
僕は幸運にもデビュー直前に彼等を知った。ライヴの機材を搬出するアルバイトの現場。終演を待ちながらの数曲で、僕は観客として最初からそこに居なかったのを後悔したが、途中からとは言えライヴで上々を知る事が出来たのは幸運だった。
ジャズに括られる事も多い上々だが、ポップス、民謡、アジア歌謡等の要素も含み、ライヴでは更にスティーヴィー・ワンダーやジャニス・ジョプリン、美空ひばりの一節も登場する。「何でもありの音楽=ロックン・ロール」(これに関しては回を改めて)を体現する素晴らしいバンドだ。僕は紅龍を服部良一の後継者と位置づけている。
写真:「上々颱風 2」アルバム・カヴァー
写真下キャプション:
作詞・作曲:紅龍
「上々颱風 2」所収
1991年3月21日発売
ザ・ビートルズ「レット・イット・ビー」のおったまげカヴァーも収録。これまでにスタジオ盤十枚、ライヴ盤二枚を発表している。
プロフィール:
音楽紹介業。67年生まれ。津久井小、北中、追高出身。洋楽依存症歴28年。
FMブルー湘南(横須賀78.5MHz)、湘南ビーチFM(逗子葉山78.9MHz)にて音楽番組を担当中
ひとこと:
去年の最優秀新人はコリーヌ・ベイリー・レイ!
補遺
「2」も含む初期(〜九十年代半ば)には、以降の本連載に頻繁に登場する柴山和彦が在籍したエキゾティクスのギターリストだった安田尚哉がべイシストとして在籍している。
「横須賀」の発音:
文字サイズを変えて説明した方が解り易いだろうか。
昔は「ヨコスーカ」が多く、
最近は「ヨコースカ」が増えただろうか、という意味。
クレイジー・ケン(横山 剣)ファンならば
「ィヨッコッスッカ」だろうが(笑)。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸 (音楽紹介業)
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