135 ニール・アスピノール死去。

ニール・アスピノール(アスピナル, Neil Aspinall)が亡くなった。
三月二十三日没。肺癌。享年六十六。

 ザ・ビートルズが好きな方ならば御存知だろうか。
 彼等のロード・マニジャーだった人物だ。

 「五人目のビートル」は誰か?

 「大体、その設問自体がナンセンス」という残酷な正論は此処では置いておいて(笑)。

 音楽的な人選:
ビリー・プレストン
エリック・クラプトン

 音楽上の裏方:
アンディ・ワイト(ホワイト)
バナード・パーディ(!)
死亡説後のポール(笑)
ジェフ・リン(笑)

 元メンバー:
ピート・ベスト
ステュワート・サトクリフ

 優秀なフォロワー:
ニール・イニズ(イネス)

 レコーディング面:
ジョージ・マーティン
ノーマン・スミス(※)
ジェフ・エメリック

 側近スタッフ:
ブライアン・エプスタイン
マル・エヴァンズ
デレック・テイラー
そしてニール・アスピノール

 やたらと多い五人目

 なんだそりゃ。

 それにしてもその「五人目」候補者の物故者も随分増えた。

 ’66年の来日時に、ジョン・レノンが外出をしたくなった際のエピソード等を聞いた事が有る方も居るだろう。当時、四人も彼も二十代半ばである。

 解散後、アップルに残り(残され?)、彼等の遺産管理を担当して来たのが彼だったという事になる。その意味では年月を経るに従って彼の「五人目チャート順位」は上昇したのではないだろうか。

 どんなミュージシャンでもそうと言えばそうなのだけれど、「ザ・ビートルズ」というグループは既に「あの四人を核としたプロジェクト」として語られつつある様に思う。途中でライヴを止め、レコーディングに集中した影響で「プロジェクト」色が強まった事も影響しているだろう。
 そしてそのプロジェクト感は解散後更に巨大化した。商品化(CD/DVD化、翻訳の許諾等)の慎重さ(五月蝿さ)によって、その姿勢や判断への賛否は有るものの、アップルは彼等を「聖域」に居させ続ける事に成功しているのは事実だ。

 何が何だか解らずに此処迄読んで下さっている非ビートルメイニア(マニア)の皆さんへ。
 御心配無く。アナタが普通です(笑)。

 アタシらは、こんな事ばっかり考えてるんですよ。ヒマだよねぇ。

 ニール・アスピノール氏の、ザ・ビートルズの品位を落とさない様にと続けた努力に、此処で改めて感謝したい。

 只、彼とは関係無いのかもしれないが、ザ・ビートルズはCDもDVDも定価がまだ高い(笑)。これは何とかして頂きたい。
 (もしかして日本だけ? という事は・・・)

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08.

(※)ついでみたいになってしまい申し訳無いのだが、今月の三日には初期のエンジニアであったノーマン・スミスも亡くなっている。享年八十五。

 所で、後期のエンジニアだったジェフ・エメリックの本は相当面白いと、一昨年シークとして来日していたオマー・ハキームが薦めてくれた(楽屋でそれを読みふけっていた)のだけれど、値段が高くて買えない・・・。

ハキーム曰く「確かにプロデューサーはジョージ・マーティンだけど、実際に録音を担当したのはジェフなんだ。興味深い本だよ。」
ナイル・ロジャーズが続けて「そう。エンジニアは大切だぜ。シークのエンジニアはボブ・クリアマウンテン。その後ブライアン・アダムズやブルース・スプリングスティーンのプロデューサーになったんだ。」と自慢気に語った(笑)。

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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