827 わはは、ピンク・レディー正直!

 「ピンク・レディー、《解散やめ!》宣言」だそうな。

 こちらはバウンス誌のウェブサイト。

 これ迄の「期間限定での再結成」(四回行っていたそうだ)という様な、歯に何かがはさまった感じの中途半端な興業ではなく、個々の活動を並行しつつ継続させる本格的な再結成なのだそうだ。その意味では三十年振り。

 解散宣言を行ったのが1980年の九月一日だったそうで、丁度三十年目となる昨日、発表された。
 十二月に新録音によるグレイテスト・ヒッツ・アルバムを出すという。編曲が駄目駄目でなければ良いが・・・。

 二人のオフィシャル・ウェブサイトに各々のコメントが掲載されている。
未唯mie(ミー) “What’s New” の「10.09.01」からリンク(直筆!)
増田恵子(ケイ)
 あまりに正直で微笑んでしまう。

 当時のブレインであった阿久 悠、土井 甫そして何と同年代であるマイケル・ジャクソンの相次ぐ訃報が大きな切っ掛けと書かれている。

 つまり、ロック・バンドの再結成と同じく「やれるうちに、揃えるうちにやっておこう。もうこの際、細かいいざこざやら感情は後回し」という事。

 ホント、それは良い事だと思うよ。
 「期間限定」でないと消費者はあまり騒がないかも知れないけれど、やれる限り、のんびり続けていってくれたら本当に嬉しい。

 都倉俊一や飯田久彦は喜んでいるだろう。自分が生きているうちに再結成してくれて。

 「日本を元気にしたい」という所が、偶然にも(だと思うが)ジュリー・ウィズ・ザ・ワイルド・ワンズ Julie with The Wild Ones の活動開始理由と重なっているのも興味深い。

 期間限定再結成ではなく恒常的な再結成を決意し、それを「解散やめっ」即ち解散を「撤回」するという行動は、硬派のロック・バンドが行う再結成よりも男っぽいと思う。

 良くも悪くも、キャンディーズよりずっと芸人として根性が座っていた・覚悟が出来ていたんだね、今から思えば。

 あ、いや、タイミングは偶然で、別に Taro に対抗した訳では無いよ!

 当時、僕はピンク・レディーのどっちが好きだったんだろう?
 当時、僕はキャンディーズの誰が好きだったんだろう?
 先ず、そういう風に彼女達を見ていたのだろうか?
 五人共好きだったのだろうが、つまり「異性」として好き嫌いを考える対象では無かったのだろうな。それは芸能人(TV の人達全般)に対して。

 「歌」が好きだった。いや、小学生当時はむしろ「チャート番組」が好きだった。音楽として歌番組を視聴していなかった気がする(※)。地図帳の資料編頁を開けて、各県の面積、人口等に順番をつけていた子供だった。そんなノリでベストテン番組を聴いていた。
 だから、そんな成績重視の憎たらしいガキからすると、キャンディーズよりもピンク・レディーの方がチャートからも売り上げからも現象面からも、ずっと偉かった。但し途中から「これは子供騙しだな」と思う様になったけど。子供は騙されないものだ。でしょ?

 そして今、振り返って考えるに、固定した作家とスタッフに支えられていたピンク・レディーの方が「プロジェクト」として優れていたと思う。神輿が頑丈だった。そしてその上に乗っていた(載せられていた)二人もかなりの覚悟で落ちずに踏ん張っていた。

 ジュリー、チャー好きとしては、並行してピンク・レディーも手掛けていた阿久 悠には脱帽だし、同時期に岩崎宏美を売り出した飯田 “ルイジアナ・パパ” 久彦にも感服(彼女の作詞も阿久)。

 父がビクターに勤めていたので、我が家には毎年「ビクター・カレンダー」が。夏はピンク・レディーだった(※2)。そんな記憶と共に今回の解散撤回を興味深く見ている。

(※)「音楽」と言えば家にあったペレス・プラードやビリー・ヴォーンのレコードだったからね。自分でカセットに録音して迄して熱中して聴いていたのはそっち。

(※2)
 ビクター音楽産業の邦楽カレンダー。
 大まかな記憶では、
正月や年末は森 進一、青江三奈、フランク永井、市丸、橋 幸夫
春は浅丘めぐみ、西川峰子、リンリン・ランラン、岩崎宏美
夏は桜田淳子、石野真子、田中星児、太川陽介、松崎しげる、ピンク・レディー
秋はチェリッシュ、殿さまキングス、灰田勝彦、アン・ルイス
 といったラインナップで七十年代の半ばは毎年カレンダーが作られていた。
 個々に七十年代末、「七月か八月はサザンオールスターズ」が加わる。

 そう言えば洋楽カレンダーというのは無かったのかな?
 七十年代のビクター音産と言えばモータウン、カーサブランカだ。
Kiss
Parliament
Donna Summer
Stevie Wonder
The Temptations
Commodores
Marvin Gaye
Diana Ross
Smokey Robinson
 凄い(笑)。

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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コメント

  1. 逗子王様 より:

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    マイケルジャクソンは厳密に言うと、1958年生まれなので、ピンクレディの二人からすれば、「一学年下」(確かケイちゃんが58年3月だから同い年と言えばそうだけど)。
    まあ、「一学年下」という言い方が日本的ですが.
    実は、ピンクレディは同い年(笑)同学年、そしてレコード屋時代にシングルでは一番売れた人で、たくさん売らせてもらった方たちですね.

    最近「ジジイになる前に逝ってしまう」方が多すぎるので、この年代としてはやれる時にやる、「やりたくなったらやっちゃいな」を実践しないわけにはいかないでしょう.
    海外でもドゥービーやヴァンヘイレンが(ほぼ)オリジナルメンバーで再結成したり、アルバムだしたり、やっぱ、やっとかな損、って人生のラストスパート(本当はまだまだと思うけど)を意識し始めたんでしょうなあ.
    さあ、俺も頑張らないとなあ. Like

  2. hit2japan より:

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    逗子王様
     成程。
     それを思うと、MJ のソロとしての八十年代を思うに、ピンク・レディーの成功は本当に早過ぎたし若過ぎたのでしょうね。まぁ「♪ネバネバ」や「すずめ」があるにせよ。

    > 「ジジイになる前に逝ってしまう」方が多すぎる
    →そう書いたピートと歌ったロジャーは還暦越えしているというのに!

    > さあ、俺も頑張らないとなあ.
    →ですよですよ!

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  3. Taro より:

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    人見に対抗して(笑)、俺もブログに書いた。
    http://zives.sblo.jp/article/40547064.html

    >十二月に新録音によるグレイテスト・ヒッツ・アルバムを出すという。編曲が駄目駄目でなければ良いが・・・。

    いや、前回の再結成の時のバンドは素晴らしかったんだよ。
    ちょっと挟まるインストものも、良かったしね。井上鑑のセンスが最高。
    当時、再レコーディングの「振り付けマスター」DVD、打ち込みだったけど、ちゃんと聴けるアレンジでびっくりだったし、
    俺は、今度の新作も期待してるぞ。 Like

  4. hit2japan より:

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    Taro
     書いたね(笑)。キャンディーズ、ピンク・レディーと並んだね。じゃあ次は少女隊だね? でなきゃ GWINKO か? 僕が憶えてる Taro が好きになった洋楽系女性歌手の系譜。
     松原みきや宮本典子の時期を飛ばしちゃったけど。
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