高校生の時に知って以来、現在もずっと追い掛け、新刊を読み続けている存命唯一の日本人作家、矢作俊彦(やはぎ としひこ)(※)。考えてみれば外出の際には何かしら彼の著作を鞄に入れている。例えばザ・フーのCDをしのばせるのと同様、一種の「武器・防具」として身に付けている気が、今これを書いているうちにしてきた(※2)。
本ブログで彼に就いて触れている回を以下に。
(最終更新:2009.9.)
第151回 「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」発表時(ひと月遅れだったけれど)
第152回 横須賀の書店で展開されている矢作俊彦コーナー
第160回 「傷だらけの・・・」続報
第203回 上記矢作コーナーの縮小
第262回 ジェイムズ・クラムリー死去に際して少しだけ
第267回 ポール・ニューマン死去に際しての引用
第271回 上記矢作コーナーの撤去
第280回 「傷だらけの・・・」追加情報
「気分はもう戦争」(画:大友克洋)と内藤 陳の「読まずに死ねるか!」、どちらで先に彼の存在を意識したのかはもう忘れてしまったけれど、「FMホットライン」でのインタヴューに狂喜した時にはもう「死ぬには手頃な日」や「神様のピンチヒッター」は読んでいた筈だ。
その後、大学生になって古本屋と本格的に親しくなった頃、単行本を揃え(以降の新刊は発売直後に購入している)、中学生の頃によく聴いていた番組、FM東京の深夜零時前に放送されていたドラマ(一人語りの)「マンハッタン・オプ」のスクリプト作家である事を知り(その頃、単行本化され、後に文庫化された)、日活アクションの名場面(名台詞)集である「アゲイン」の監督としての彼を知り、FM横浜での同名番組「アゲイン」での傍若無人振りに狂喜し(笑)、・・・。
九十年代には週刊ポスト誌に「新ニッポン百景」を連載、毎週彼の新たな文章に接する事が出来た。
作家デビュー以前に発表されていた漫画(ダディ・グース名義)は近年単行本化されている。その時に初めて目にしたのだが、これが又、素晴らしい。後に小説化そして自身の手で映像化された「神様のピンチヒッター」は、最初のヴァージョンである漫画が一番面白いと思う。
七十年代半ばにグース名義で「ミステリ・マガジン」に連載していたチャンドラーの「長いお別れ」の漫画化も単行本にならないだろうか?
作家、漫画家、漫画原作者、映画監督。
肩書きは色々だが、つまり表現者。
一貫性は有るのだが、どんどん進化していくその作風がとても興味深い。
長編も中短編も、エッセイも素晴らしい。彼が作品に登場させるキャラクターの言動に、彼自身の発言に、僕は非常に感化されている。
是非、御試しあれ。
因みに矢作俊彦は全共闘(のちょい下の)世代だがジャズ・ファンであって、やかましいロックは好んでいない様だ。
(※)
僕が新刊(含新訳)を追い続けている文芸作家は、
エドガー・アラン・ポオ(故人)
アーネスト・ヘミングウェイ(故人)
ダシール・ハメット(故人)
レイモンド・チャンドラー(故人)
ジェイムズ(ジェームス)・クラムリー(故人)
クライヴ・カッスラー
そして矢作俊彦。
音楽関連随筆が多く、小説は一冊しかかいていないけれど、
松村雄策の著作も。
そして音楽関連の著作は渋谷陽一とピーター・バラカン。
漫画は寺沢武一と大友克洋。
或る種の人種が見れば、馬鹿みたいに解り易い傾向(笑)。
(※2)
「時代の戦旗 矢作俊彦」
処女エッセイ集『複雑な彼女と単純な場所』単行本の帯にあったこの形容が、彼に付く肩書きとして歴代ベストと思われる。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸 (音楽紹介業)
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