October 16th, 2009. イシイ ポップス・イン・ザ・ボックス
提供:石井食品
vol. 603.
M1
16:03 SO FAR AWAY
Carole King
M2
16:07 TRIPPING OUT
Curtis Mayfield
M3
16:13 TOP OF THE WORLD
Carpenters
M4
16:16 BREATHLESS
Corinne Bailey Rae
ミドル4:ロバータ・フラック
M5
16:23 WHERE IS THE LOVE /Roberta Flack & Donny Hathaway
M6
16:26 KILLING ME SOFTLY WITH HIS SONG やさしく歌って
M7
16:31 FEEL LIKE MAKING LOVE
M8
16:34 THE CLOSER I GET TO YOU /Roberta Flack & Donny Hathaway
Roberta Flack
M9
16:41 COULD IT BE I’M FALLING IN LOVE フィラデルフィアより愛をこめて
Spiners
M10
16:45 STARS
Simply Red
M11
16:50 EVERYDAY PEOPLE
Sly & The Family Stone
M12
16:52 CALLING YOU
Jevetta Steele
ロバータ・フラックが持つ包容力はとても魅力的。
音楽的な教養を身に付け(当時で大学を出ている、つまりかなり恵まれたアフリカ系アメリカ人です)、音楽教師・個人教授をしつつナイト・スポットで歌っていたという彼女は三十代半ばで ’69年にレコード・デビュー。見方によっては悪いタイミングで世に出た「時代遅れのジャズ・シンガー」でした(※)。
最初のヒット曲は「The First Time Ever I Saw Your Face (愛は面影の中に)」。デビュー・アルバムで発表されてから三年後にクリント・イーストウッドの初監督映画『恐怖のメロディ (Play Misty for Me)』で使用されるという幸運が巡って来たのです(※2)。翌 ’73年、今回のM6「Killing Me Softly with His Song (やさしく歌って)」も大ヒット。日本ではCMソングとしてその後長きに渡り使われ、知名度が御茶の間レヴェルで高まります。
因に僕も曲が先で、後年「あのCM曲の人」として彼女を認識しました。
その頃の「ニュー・ソウル」を代表する一人として彼女は大人気となり、現在も順調な活動を続けています。一昨年の来日公演を観ましたが、(七十歳とは思えない)歌唱力、(七十歳だからこそなのか)伝わってくる余裕を実感出来る、とても素晴らしいものでした。
何でも最初の曲を決めている程度で舞台に上り、その場で曲を決めていく人なのだそうです。そんな辺りは、その場の空気や気分を大切にする「ジャズ・シンガー」なのでしょう(※3)。
(※)
実際に、初期の彼女はニーナ・シモーンの後継者的な扱い。プロデューサーはレズ(レス)・マッキャンやマックス・ローチ等を手掛けていたジョエル・ドーン、アルバムのアート・ワーク、裏ジャケに解説が入る等のパターンもジャズのそれ、当時の日本盤に入っている解説でも「新たなジャズ・シンガー」という扱いで紹介されています。
(※2)
後年の『バード』でも明らかな様に、クリント・イーストウッドはジャズ・フリークです。
(※3)
同時に実はかなり「ムラッ気」のある性格らしく、側近やバンド・メンバー達はかなり困っているらしいです・・・(笑)。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’09. (音楽紹介業)
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