187 水野晴郎、死去。

水野晴郎が亡くなった。
六月十日。肝不全。享年七十六。

 思えば、七十〜八十年代、TV映画番組をやっていた名物評論家の中の最後の一人だった(高島忠夫は俳優なので例外とした)。

おば、おば、おばちゃまはね

こんばんわ〜、おぎ〜まさひろ〜です

それでは又、御会いしましょうね、さよなら、さよなら、 ・・・さよなら。

いやぁ、映画って本当に良いものですね

 真似されやすい。
 からかわれやすい。
 誰でも知ってる名文句がある。
 大体、「笑われる」というのは、強く意識されている、高く評価されているという事だから。

 あまり映画館に行かない方だった(だから行った映画は良く覚えている)。
 そして我が家にヴィディオがやって来たのは ’88年と遅かった。
 周りは既に持っていたけれど、生テイプもソフトも単価は高かったし、レンタルというものへの「好きなもん借りてすますんじゃねぇよ」「貸し借りで商売すんじゃねぇよ」という想いも(レコードに対してだが)当時は有ったし、実際の所、別に無くても困らなかったし欲しいと思った事も無かった。

 庶民が動画を「持つ」という感覚はその頃でも現実感が無かった。
 原作本やシナリオ、資料本、写真等を基に、間を記憶と想像力で埋めればそれで良いと思っていた。
 流石にウルトラセブンは高校の頃の再放送時、音声だけ録音したけれど(笑)。でもそれで満足していた。

 話が逸れた。TV映画番組の話に戻す。

 そんな訳で、
 だから、映画を観たのは専らTVの洋画劇場番組。それが「映画を観た」という事になるのかという基本的な是非は兎も角として。
 だから、番組出演者(司会・解説者)と映画はワン・セットだった。録画を前提に観ていなかったのだから、僕だけでなく、観る側の集中力も相当なものだった筈だ。
 だから、吹き替えが気になった。音声多重放送も字幕で原語放送も無い(少ない)時代。
 「小さな恋のメロディ」のメロディ吹き替えが杉田かおるだったとは、当時は知らなかったなぁ。

 日曜のTV映画は余り観ていなかった気がする。
 そしてNTV共同制作の宮崎アニメやルパン三世特番、つまり「金曜ロードショー」(※)はよく観ていた(これは今も)。

 という訳で、僕は特に水野晴郎が紹介する映画番組をよく観ていた記憶が有る。
 彼に限らないけれど、その作品その作品の「面白い所」を一所懸命探して其処を褒める紹介手法は、しばしば太鼓持ち的になってしまいがちだけれど、作品の太鼓持ちなのではなく、考えてみれば結果として映画業界全体の太鼓持ちになっているのだから、志は非常に高いという事にもなる。
 僕もそういう高い志で、広い心で、音楽を紹介し続けたい。高い志に根差した苦言も勿論呈する事は続けるだろうけれど。
 だって環境を良くしたいからね。音楽周辺の環境をさ。

 水野晴郎のトリヴィアねたとして、007一作目のポスターに手タレ(笑)として出ているとか、そういう事を知るのは随分後になってからだ。

 所で、八十年代前半、TVで007を放送する日って、何故か定期テスト前一週間や期間中ではなかったですか? 親に怒られまくり乍ら、でもボンドを選んでいた気がする。翌朝、気まずくってね。「それでも良い点を取れれば良いんでしょ」と突っぱねた手前、答案返却後も気まずかったりして・・・。

 実は僕、「シベリア超特急」、持ってたりなんかしちゃったりなんかしちゃったりして(笑)。

 久々に観ようかな、笑い乍らね。

人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’08. (音楽紹介業)

(※)番組テーマ画面の夕暮れがバックのヨットのマスト、あれは葉山マリーナーの夕暮れ、海は相模湾だったそうだ。L.A.やら地中海やらを想起させる狙いだったのだろうから、この時ばかりは富士山は邪魔だった事だろう(笑)。

人見 欣幸

音楽紹介業(ラジオ、活字、ライヴハウス、インタネット等で音楽を紹介)
1967年神奈川生まれ・育ち・在住
1978年より洋楽中心生活者
1991 文筆デビュー
1995 ナイル・ロジャーズにファンレターを渡す(交流開始)
1997 レギュラーラジオ番組開始
2011 Nile Rodgers/CHIC応援組織 "Good Times" を内海初寧と結成、同年よりウェブ番組 "Good Times TV" 開始(13年まで)
2019 新メンバーを加え、六月より "Good Times Tube" としてウェブ番組を復活

■favorite musicians:
Nile Rodgers,Bernard Edwars&Tony Thompson
山下達郎,伊藤広規,青山純&難波弘之
竹中尚人,加部正義&ジョニー吉長

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