Scorpions スコーピオンズがこの三月の新作とそれに伴うトゥアーを最後に活動を終了するそうだ。但しそのトゥアーは長期に亙り、2012年に終了する予定らしい。ゆっくりと世界中を「さようなら」を言って回るのだろう。古くから人気があった日本にも来てくれる事だろう。(※)
こちらはCDジャーナル誌のウェブサイト。
彼等は七十年代にデビュー、全米を含む世界的な成功を収めたのが八十年代。以降も順調な活動をずっと行っていた。
八十年代には、「登場したら取り敢えず組体操をしないと気が済まない連中」として知られた(?)。
彼等はドイツを代表する老舗ハード・ロック・バンドである。最初に世界的な成功を収めたジャーマン・ハード・ロック・バンドと言えるだろう。
’72年のレコード・デビュー時はギターのシェンカー兄弟とクラウス・マイネを中心として活動、程なくして弟マイクル(マイケル)・シェンカーがUFOへ参加(※2)、その後兄ルドルフとマイネだけが残り、オーディションで三人を補充、再出発となる。
僕は七十年代半ば〜後半、ギターリストがUli Jon Roth ウリ・ジョン・ロス(ウルリッヒ・ロート)だった時代が好きで、彼の脱退以降は彼のソロをフォロウするというクチだ。平たく言ってしまうとジミ・ヘンドリクス・フォロワーの代表的な一人なので好きなのだ。何と安易な(笑)。ギター仙人・メタル仙人とも呼ばれる彼が近年発表し続けているシンフォニック路線も興味深く聴いている。
’78年にウリの後任としてマティアス・ヤプスが加入、ドラマー、べイシストを交代させつつ(キーボーディストが居る時期もある)、シェンカー/マイネ/ヤプスの三人は不動のまま現在に至っている。雑誌に彼等の近況が載る度、それを確認するだけで何だか嬉しかったものだ。
ウリ在籍時より、スコーピオンズは此処日本では既に人気が有ったが、世界規模でのピークは上記の通り彼の脱退後に訪れる。とても真面目な面々で、ショウに、ショウ・アップにひたすら情熱を注ぐ。又、マスコミ操作も巧みで、物議を醸すアルバム・カヴァーが毎回の様に話題となった。
そんな中、地道なライヴ活動が実を結び、米国でヒットするのが八十年代前半。
LP時代のものは、盤質悪めで安い中古盤がかなり出回っているので大体揃えている(貰い物も有るが)。
CDになってからの彼等のアルバムって結構高めなんだよね。だから買っていないし聞いていない。御免ねルドルフ。
ウリ在籍時が(と言うよりウリが)好きだった僕は、彼が脱退した後の八十年頃以降の彼等(大人気時)は「聞いていた」「知っている」という程度(※3)、近年(二十年以上・・・)はちゃんと聞いていないという程度の「ファン度」でこの後を書く事を御許し頂きたい。
彼等は前進を続けた。ハード・ロック/ヘヴィ・メタル・ファンからは歓迎されない方向へ音楽性を変化させ(ファッション等のヴィジュアル面もかなり変えた)、その度に賛否両論を呼びつつ、ずっと活動を続けていた。それはとても称賛に値する「勇気ある前進」だったと思う。
最終作となる次作『STING IN THE TAIL』がとても満足のいく内容に仕上がり、同時に「やり終えた」感も伴っている事から今回の活動終了宣言となったという。
今夜、ウリ期の来日ライヴ『Tokyo Tapes』でもスタジオに持ち込んでみようかな?
(※)で、熱狂的な人気が再燃して「活動継続」となったとしても、それはそれで歓迎するべき事態。フェアウェル・トゥアーが好評で継続或いは再結成といのは、割とあるパターン。ファンは呆れつつついても喜んで行く(笑)。
でもそうなる場合の多くは「売れなくなったから解散」という理由のバンドだからなあ。彼等の様に音楽的な達成感からの活動終了という想いを覆すのは難しいかなあ・・・。
(※2)’79年、マイクルはバンドに復帰している。アルバム『ラヴドライヴ』の時。しかしすぐに脱退、MSG (マイクル・シェンカー・グループ) を結成して欧日で大人気となったのを御記憶の方も多いだろう。MSGは今月来日したばかり。
(※3)つまり八十年代前半に洋楽を聞いていた人ならば誰でも知っているバンド、好き嫌い以前に聞いた事はあるバンド、という途轍も無い知名度を誇っていたのだ。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
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