2000年5月9日の日記。
(翌日、湘南ビーチFMウェブサイトのトップ頁に掲載)
今日もわずかな時間をレコード漁りに充てる。
約半年振りに大船へ。
「大船ミュージックショップ」は昔乍らのいわゆる「街の中古レコード屋さん」という風情をまだ残しているお店だ。実際CDよりもレコードの方が圧倒的に多い。いつも安い買い物しかしない僕に、お店のオヤジさんはレコードの外袋を買ったらオマケしてくれた(百枚買ったら四十枚もプラスしてくれた!!)。もう、ナミダ出そうです。
収穫:Herb Alpert, Asia, Big Country, Demis Roussos, Donna Summer, James Taylor, シェーシェ, 原田真二, 松崎しげる, 松原みき, 渡辺真知子(以上アルファベット/五十音順)
番組でリクエストを募った所、ビッグ・カントリーを希望する便りが入り、喜んだ。最近ファクシミリやEメイルで便りを下さる常連さんの数も増え、全く以ってこりゃ愉快、いやいや有難い。
貴方からのお便り、お待ちしております。
因みに最近の僕個人のヘヴィー・ローテイションはAC/DCの新作。
いよいよ奴等は七十年代のJBみたいな高みに到達しつつあるな。グルーヴの塊ですよ、これは。
補遺 (2010.3.4. 筆)
僕が日記の執筆を担当するのは殆んどの場合「スターライト・クルージン」の日、即ち火曜日。
この時期は横浜に住んでおり、横浜や関内、そしてこの日の様に大船のレコード店に寄ったその足で局入りする事も多かった。
番組が始まるなり「今日はこんなの買って来ました〜」と読み上げて、リスナーの方から希望が有れば対応する、というかなりフレキシブルな進行をしていたものだ。
当時は二時間半だったという事もあり、そういう脱線をしても「○○」特集が成立したのだ。
AC/DCの新作:
『Stiff Upper Lip スティッフ・アッパー・リップ』
が2000年の最新作。例のAngus Young アンガス・ヤングが遂に銅像になっちゃった奴(笑)。
Bruce Fairbairnブルース・フェアバーンがプロデューサーとなってギンギンギラギラだった
『The Razors Edge ザ・レイザーズ・エッジ (1990)』、
『Live ライヴ (1992)』を挟んで、
Rick Rubin リック・ルービンがプロデューサーで、ドラマー=Phil Rudd フィル・ラッドが復帰した事も影響してか、ぐっと重厚な音作りだった
『Ballbreaker ボールブレイカー (1995)』(アンガスがアキラ[!?]になってた奴)、
そしてマニジャーでもある兄George Young ジョージ・ヤング(元The Easybeats ジ・イーズィービーツ[イージービーツ])がプロデューサーとなった
『Stiff Upper Lip』
と、五年毎に新作を発表する毎に、彼等らしいまま、しかし(良い意味で)歳を重ねているなあと感じていた。
こちらも同じだけ歳をとっているのだから、むしろそうでないと困るので(笑)、求道者の如く独自のR&Rを追求して渋くなっていく彼等は頼もしかった。「渋いAC/DC」というのは新鮮で、やたらと格好良かった。老練のグルーヴ追求バンド、The J.B.s、Booker T & The MGs、M.S.R.S. (Muscle Shoals Rhythm Section) あたりを連想した。
でも、翌1991年の来日公演は相変わらずのバカ丸出しな演出が目白押しで楽しかった。アンガスが、メチャクチャに動いている様で、実は曲が終わる度に上手・下手・中央の観客にちゃんを御辞儀をしているのだという事に気付き、その礼儀正しさに涙が出そうになった(笑)。半裸だし正常とは思えない表情のくせに。
そしてそれから八年。
Brendan O’Brien ブレンダン・オブライエンをプロデューサーに迎えた八年振りの次作
『Black Ice 悪魔の氷 (2008)』で、
驚くべき事に彼等は若返ってしまったのだ!
こっちは素直に八年分だけ歳をとってしまっていたので困った。それはそれで嬉しいのは勿論なのだが、「それで良いのか?」と問われている気もしてしまった。
そんな回春状態のまま、彼等は今月、日本にやって来る・・・。
九年振りの来日だが、その間アルバム発売もトゥアーも無かったのだから、「連続でトゥアーに日本を組み込んでくれた」事になる。その前が十九年振りだったのだから、それを思えば快挙だ。
人見 ‘Hit Me!’ 欣幸, ’10. (音楽紹介業)
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